アラキの大冒険最終章 その④
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/06/28 21:36:24
アラキの大冒険最終章 その④
「そうですよ!シナンさん!!」
とフュールが、アノートに続いてそう言った。
「なりましょうよ!友達に!!」
とクリームが、フュールとアノートに
続いてそう言った。
「勿論こっちからだって願いたいくらいだ!!」
とシャドーがフュールとクリームと
アノートに続いてそう言った。
「だから逝かないで・・・・・・!」
とライトがその目に涙を浮かべながら
シャドーとフュールとクリームと
アノートに続いてそう言った。
「・・・どうしてもここには留まれないんですか!?」
とアイトがシナンにそう聞くと
「そうですよ!シナンさん!!」
とミルクがアイトに続いてそう言った。
「シナン・・・・・・!!」
とネルフがそう叫ぶとシナンはその目に涙を
浮かべながら首を横に振って、
「皆さん・・・・・・ありがとうございます・・・!
・・・・・・でもここにはもういられません・・・。
折角友達になれたのに・・・残念です・・・。」
そう言うとシナンは続けて、
「・・・でも最期に・・・・・・こんなに沢山の友達が
出来て・・・・・・、生まれて初めて幸せになれました・・・・・・!」
シナンは泣きながらその場にいたアノート達に
笑顔でそう言った。
「シナン・・・・・・待って・・・・・・このマフラー・・・。」
アノートは泣きながらシナンに彼女が付けていた
マフラーを手渡そうとする。しかしシナンは、
「・・・・・・それはアノートさん、貴方がもらって
下さい・・・。」
と言ってアノートに優しく半透明になった手で
手渡した。
「え・・・・・・?」
アノートは泣きながら少し驚いてシナンを見ると彼女は、
「それを見るたびに・・・・・・私の事を思い出して
下されば・・・・・・嬉しいです・・・。」
と言って半透明になったシナンは優しい笑顔を
アノート達に見せながら泣いている。
「シナン・・・・・・。」
アノートは泣きながらシナンを見ると彼女は、
「さぁ・・・・・・もうこの空間も消滅します・・・。
私の最後の力でこの空間から皆さんを脱出
させますね・・・。」
そう言うとシナンは泣きながら続けて、
「どうか・・・・・・全てのポケモンが幸せに暮らせる
世界を・・・・・・築き上げてくださいね・・・!!」
そう言って半透明になったシナンは優しい笑顔を
アノート達に見せながら泣いていた。
「シナン・・・・・・!!シナンーーーーーーっ!!」
アノートは、号泣しながら彼女の名前を叫ぶ。
・・・・・・本当にありがとうございました・・・・・・。
みなさん・・・・・・。
・・・・・・友達って素晴らしいですね・・・・・・!!
・・・・・・どうかいつまでも・・・・・・変わらぬ友情を・・・・・・。
まぶしい光に包まれたアノート達の耳に
そう言うシナンの言葉が聞こえてきた。
こうして、私、アノートと、フュール、アラキ、
そしてギルドの仲間たち・・・皆との冒険は終わりを告げました。
彼が来てからどれだけの日にちが経ったのか・・・・・・。
思い返せばたった数日だった。
それでも長く感じるのは・・・・・・それだけ充実した
日々だったって事じゃないかしら。
私達は気付いたら秋風の森に居た。
シナンがここまで送ってくれたんだとすぐわかった。
私達は無事に帰ってこれたんだ。
アラキも、ちゃんと人間界に帰れたのかな・・・。
その心配ばかりしていた。
それと同時に、名残惜しかったのか、別れの寂しさが
胸の奥からこみあげてきた。
彼との別れもそうだけど、彼とは違い、命を落とした
仲間が2匹・・・・・・。
きっとシナンとソウルは、天国でようやく自由な
生活が出来るだろう・・・・・・と考えて、なんとか
哀しみと涙を抑えた。
私達が持っていた友情結晶のお守りは、
いくら呼びかけてももう反応しなかった・・・。
アラキの大冒険最終章エピローグに続く