Nicotto Town


シグキーリア


アラキの大冒険part4序章 その④


   アラキの大冒険part4序章 その④

  僕達はその日記帳の中身を読む。
 今は頭痛も収まっている。私はもう長くないの
 かもしれない。
 私の体が生きていようと意識が・・・・・・。
 こんな事を書いても何も変わらないとは思うけど、
 なんとなく自分の意識があるうちに書き残しておきたく
 なったからかいてみることにした。
 私はもう長くない。じきにあの人にすべてを奪われる。
 私の人生はなぜこうも狂ってしまったのかしら。
 私は何か悪い事でもしたのかしら。
 私が今欲しいものは自由。それ以外の何物でも
 ない。この束縛から解放されたい。
 でもそれは叶わぬ願い。そう自分に言い聞かせると、
 本当に泣きたくなってくる。
 途方に暮れていたある日、あるマニューラが私に
 頼みごとをしてきた。自分のトレーナーに
 復讐したい。そいつをポケモンに変えてこの世界に
 連れてきて欲しいと。
 確かに私にはなぜか人をポケモンに変える力があった。
 彼と志が同意したので、協力した。
 私にも彼の様に主人に立ち向かえる勇気があったら・・・。
 しかし私が彼に協力したのはそれだけが理由じゃない。
 もう一つ狙いがあった。そう、主人への復讐である。
 しかし私には抵抗できない。私を縛る縄は
 私の自由を束縛する。私の様にポケモンは
 あの方には抵抗できないのかもしれない。
 けれどあの方と同じ人間ならば・・・。
 そう思った私はマニューラの頼みを聞いた。
 ただどの種族になるか、そしてこの世界の何処に
 送られるかは私にもわからない。
 私はその子を探すことにした。そしてミイケタウンで
 その子を見つけた。その時その子は優しそうな
 ブースターとイーブイの姉弟といっしょにいた。
 羨ましいと思った。でもそう思った矢先、
 すぐ別の考えが浮かんだ。そのブースターからは
 凄い実力を感じた。彼女ならもしかしたら・・・・・・
 そう思って私は彼女たちに切断の欠片集めを頼んだ。
 私たち以外の者がここに来るにはあの欠片から生成される
 結晶が無ければここには来られない。
 それにあの結晶は膨大なエネルギーの塊だ。
 ポケモン達の怒りのエネルギー・・・。
 それをあの方にぶつけるのはどうだろうと考えた。
 勿論私にはできないからあの人間の子とあのブースターに
 頼むしかないが、いきなりそんなことを言っても
 断られるかもしれないので、隠し通すことにした。
 彼女達なら私達・・・いや、全てのポケモン達を
 あの方の支配から救ってくれると信じて・・・。
 私の最後の希望・・・・・・どうか奇跡を・・・・・・。
 日記はそこまでしか書かれておらず、
 頭痛のせいか所々文字がゆがんでいた。
 文面からしてこれはおそらくシナンの日記だと思い、
 僕達はその日記帳を元の位置に戻し、その部屋を後にする。
 僕達は、最後に残った道を先に進むと
 僕達の前に重厚そうな扉が現れる。
 「いかにもこの先にソウルがいますって扉が
 あるぞ。」
 とネルフがそう言って僕達の前に現れた
 重厚そうな扉を指差す。
 「いよいよですね・・・。」
 とアイトは重厚そうな扉を見ながらそう言って
 つばを飲む。
 「アノートさん、準備はよろしいですか?」
 とクリームはそうアノートに尋ねるとアノートは、
 「その辺りはアラキに任せるよ。
 準備が出来たら行こう!」
 と僕を見ながらそう言った。
 僕は少し準備した後、重厚そうな扉に
 手を掛けて押し開ける。
 「ソウル・・・・・・!」
 封印異空間最奥部にソウルが1匹立っている。
 彼は、僕達に気付くと僕達のいる方に向き直り、
 「話はシナンから聞いたと思う。」
 と言うと彼は僕達に、
 「さあ、お前達の絆の強さ、俺に見せてみろ!」
 そう言ってソウルは僕達に襲い掛かる。
 こうして僕達とソウルとのバトルが始まった!!
 ソウルとのバトルは壮絶なものだった。
 僕達の攻撃は殆ど彼に効き目が無かった。
 「全然攻撃が通じないよ・・・!」
 その様子を見てアノートがそう言った。
 「フフフ・・・・・・そう、俺はすべての攻撃を
 無効化する。最強のポケモンなのだ。」
 そう言ってソウルは僕達に嫌らしく笑う。
 その様子を見てネルフが、
 「確かに全ての攻撃を無効化ということは最強に
 等しいな。だが俺は何故お前が攻撃を受け付け
 ないか予測はついている。」
 と言うとソウルは、
 「なに?」
 とそう言ってソウルはネルフを見る。ネルフは、
 「これを食らえ!」
 とそう言ってソウルにとある機械の光を当てる。
 すると機械の光を浴びたソウルが、
 「な・・・なんだその機械は・・・力が抜ける・・・!」
 と言って彼の足元がふらついた・・・。

           アラキの大冒険part4第1章その①に続く




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.