【花蝕外伝スピンオフ】 アクィローの物語 1
- カテゴリ:きせかえアイテム
- 2017/06/18 23:19:50
和.comさん作
【花蝕外伝スピンオフ】 アクィローの物語
転載許可をいただきました。
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=64348315
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士官学校入学前のボクは父について行きたいと思ったが、
ボクにすがって泣く母を見ていたら、父といっしょに行きたいとは言えなかった。
出ていく父を見つめるボクは、きっと泣きそうな顔をしていたと思う。
ボクの頭を撫で、士官学校でいろんなことを見聞きして多くの価値観と出会いなさい、と父が言ったのは
母に洗脳されそうなボクを心配してのことだろう。
事実、母の教育という名の洗脳は、強烈だった。
実験体 D-4 が、ディアーヌ皇女殿下として正式にお披露目され、士官学校の後輩になると知った時も、
「大魔王陛下の核を受け継ぐって言ったって、しょせんは実験体だろう」
それは確かに自分の口から発した言葉ではあったが、
母の思考をなぞって口にしただけだということを、心のどこかで解っていた気がする。それでも…。
「… D-4 が ………」
ドキッとして思わず足を止めた。
ボクが歩いていた通りの横に走る、建物と建物のわずかな隙間からイキナリ耳に飛び込んできた言葉は、
D-4… つまりディアーヌ皇女殿下の実験体ナンバー。
新しく仕立てたシャツを受け取りに行った先で、ディアーヌ皇女殿下のご発生を祝う式典がいよいよ明日
という話題が出たおかげで、戻る途中、苦々しい記憶をまざまざと思い出し…
すっかり過去の感傷に浸っていたボクの意識を引くには、たぶん最高の言葉だったろう。
そこには、侮蔑を込めたようなイヤな響きがあった。
「ああ … 生かしておいては ………」
「……… じゃあ … 集合場所は ……… また …」
ハッキリとは解らないものの、良くないことを企んでいるのは容易に想像できた。
その片方が こちらに向かってくる様子に、慌てて建物から離れると、
姿を見せたのは、地味だが身なりの悪くない、むしろ貴族を思わせる仕立ての良い服を着た若い男性型悪魔。
どうしたものかと思いつつ、少し離れて後をつけると、
すぐに数名の、いずれも貴族の子息であろうと思われる集団と合流した。
「準備は整って ……… そうだ」
「……… 明日だな … 行くか」
これから悪事を働こうとしているはずなのに、周囲を警戒すらしない集団に奇妙な懐かしさを覚える。
誰かが自分たちを阻むことさえ想像もしていないような、傲慢な振る舞い。
まるで母や多くの貴族、貴族の地位をひけらかす同級生たち。そして、かつての自分。
冷静に遠くから眺めると、目を背けたくなるようなバカさ加減だ。
聞こえる話は相変わらず断片的で、計画の内容は解らないが、皇女殿下を襲撃するのは間違いないようだ。
刑務庁に通報しようか。そう思った時、中心にいるリーダー的な若い貴族に気づいた。
… あの顔は知っている …。母といちばん仲の良い侯爵夫人の子息。以前、紹介されたことがある。
いくつか年下で、士官学校でも何度か見かけていた。
親子ともども母と同じように、現大魔王陛下が作り上げた体制に不満を持っている。
もっと正確に言えば、高貴な自分たちがあり得るはずのない不遇な目にあっていると疑わず、
被害者意識丸出しで嘆いているだけだ。
… もしや母もこれに一枚かんでいるのか。真っ先に頭に浮かんだのは、それだった。
急いで刑務庁に…。一瞬そうも考えたが、出来れば、それは避けたかった。
母が何も知らないとしても、あの親子と母は近し過ぎる。母に 何らかの累が及ばないとも限らない。
どうする !? どうすればヤメさせられる !?
迷いながらも後をつけると、途中で車に乗り込み、さらにどこかへ向かう。
翼を広げ、ミラーに映らない上空から さらに追っていくと、
王都から少しだけ外れ、貴族の別邸らしい派手な (趣味の悪い) 屋敷の前でヤツらは車を下りた。
警備もいないのだろう。上空から入り込むのは、ひどく簡単だった。
庭園の片隅にある小屋前にヤツらは集っている。
「… 武器を …… そう連絡を … 」
黒幕がいるのか実行部隊がどれほどいるのかは解らないが、少なくとも、あの集団のなかに連絡係がいるらしい。
連絡が付かなければ、計画に狂いが生じるはずだ…。
狂いが生じれば、警戒をして中止も考えられる。希望的観測ではあったが…。
そうこうしているうちに (なぜかは解らないが) ヤツらの中のひとりが火の魔力を使い始めた。
あの中にも計画に反対しているヤツがいるのか! と思ったが。
計画を前に興奮しているのか… 見せびらかして はしゃいでいるだけのようだった。
これが貴族か…。
ボクはコイツらと同類なのか…。
そう思うと身体から力が抜けていくようだった。
そう思うと、言いようもない怒りが、次から次へと身体の中に溢れていくようだった。
「大魔王陛下の意向に逆らうのが、貴族かっ !!」
気づくと、今日受け取ったばかりの新品シャツを破き、覆面代わりに自分の顔を隠し、叫んでいた。
ギョッとして こちらを振り向く集団、その中央にいる火の魔力のバカに向かって
「オマエの火では何も焼けないさ」
挑発すると、顔を真っ赤にし、ヤツは炎の威力をさらに強めた。
ありがとうよ、それを待っていた! と心の中でせせら笑いながら、風の魔力を使ってヤツの火をより大きく燃え上がらせ
炎を後方へ、広範囲へと広げてやった。
周囲のバカたちが火に包まれ、悲鳴を上げて転げまわる。
その隙に翼を広げ、上空へと飛び立った。
こちらを気にしているヤツは、誰ひとりいなかった。
地味なロケでしたwww
もうちょっといろいろ考えれば良かった。
とにかく挿絵を入れてアップしたいってことしか
考えてなかったw
あーーっ ほかの人が集まってるところで
こっそり聞き耳立ててる写真撮れたかもしれないなw
でもまぁ 貴族っぽい服着てるひとが
いっぱいいるとも思えないので
募集しないと結局無理だよな。
じみーなロケでしたww
これは思いつかなかったわ~。うん❤ いいロケーションだねー。
おしゃべり広場が、いかにもってロケーションだったのね^^