6がつ18にち
- カテゴリ:日記
- 2017/06/18 05:00:47
ふたつの頭をつけて再生・増殖した「宇宙帰り」のプラナリア
・Planarian regeneration in space
地球上ではこのように必ず「それぞれが完全に同じ形状」として増殖します
・全身に幹細胞を持つプラナリア
これから長く続くかもしれない「宇宙線増大の時代」は朗報になるのかも
この「宇宙線と人類の関係」ことを先に書くと、非常にややこしいこととなりますので、後で余談として書ければ書きますが、とにかく、
「人類は、宇宙線の多い時代に《進化》してきたのではないか」
とも、その時、ふと思ったのでした。
宇宙線の多い時代というのは、今後いつ頃から始まるかというと、
「まさに今、その時代に入ろうとしている」
ことは事実です。
しかし、この宇宙線の話はともかくとして、今回の本題は冒頭に載せましたもので、NASA の国債宇宙ステーション・ミッションの中でおこなわれた実験のひとつにおいて、「プラナリア」という水の中の生物があるのですが、
「それが考えられない突然変異を起こした」
ということが、論文で発表されています。
プラナリアとは、川などに生息する体長 1~ 3cmほどの生き物で、有性生殖も行いますが、単為生殖(オスとメスのどちらかだけで生殖する)も行います。それは、「自分の体を切断して増えていく」という形式で増えていく生物でもあります。
冒頭で引用させていただいたページから説明を抜粋いたしますと、以下のようなものです。
全身に幹細胞を持つプラナリア
プラナリアは、環境によって無性生殖と有性生殖とを切り替えて増殖します。無性生殖では、プラナリアは自身の体を2つに切って殖えます(自切)。
自切したプラナリアは片方には頭が、もう片方にはしっぽがない状態です。ところが数日経つと、しっぽはもちろん脳や目などの組織を再生し、完全な2匹のプラナリアになります。
プラナリアの再生は自切だけでなく、人工的に切断した時にも行われます。プラナリアを2つに切断すると完全な2匹のプラナリアに、3つに切断すると完全な3匹のプラナリアになります。
こういう生き物です。
上では「3つ」などの説明もありますが、Wikipediaには、
> ある学者がメスを使い100を超える断片になるまで滅多切りにしたが、その全片が再生して100を超えるプラナリアが再生したという逸話がある
という記述もある生物なのですが、しかし、その基本は、
「それぞれが完全に、元の形状の状態のまま、複数に再現される」
のです。
いわゆる生殖ではないですので、遺伝的な変異での奇形や体の損傷というものが基本的に起こりえないのです。
いつも「完ぺきに再現されて、増殖する」のです。
ところが、「宇宙から帰ってきたプラナリア」は下のようになりました。
まずはその論文について記した記事をご紹介します。
Worm Returns from Space with Two Heads
mysteriousuniverse.org 2017/06/15
プラナリアは「ふたつの頭」を持って宇宙から帰ってきた
NASA の国際宇宙ステーション(ISS)の最近のミッションで、宇宙飛行士たちは、研究用に宇宙空間に共に行ったプラナリア(扁形動物)が、2つの頭部を持つ体となさって帰ってきた。
「プラナリアの再生のプロセスは、通常 100%正確であり、自然の環境では前後にふたつの頭を持つ状態は決して作られない」
この言葉は、今週発表された実験の論文の共同執筆者であり、マサチューセッツ州のタフツ大学の再生医療と進化形態生物学の専門家であるマイケル・レビン(Michael Levin)教授によるものだ。
教授たちがおこなったこの実験は 2015年1月から始められた。
スペースX社による物資供給ミッションにより、他の物資と共にプラナリアが国際宇宙ステーションへ搬入され、その一部には、研究者たちが「咽頭断片( pharynx fragment )」と呼ぶものがあった。
これは、ちょうどプラナリアの腹部の消化管に通じる口への部分を切断したものを意味する。この切断が地球上で行われると、咽頭断片は、最終的に頭部および尾部を再び作り出し、それぞれが正常なプラナリアになり、再増殖するのだ。
しかし、地球ではなく、宇宙空間ではそうではなかった。
それぞれがひとつの正常なプラナリアとなるのではなく、代わりに、この断片は、ひとつの体の前後に2つの頭部を成長させたのだ。第2の頭部にある口は、自身のもうひとつの口と同じ機能を有した。
しかも、驚くべきことに、この前後に双頭のプラナリアを再び水の中で切断すると、それもまた再び2つの頭部を持つ形状となったのである。
さらには、そのプラナリアが地球に戻ってから 20ヶ月後に試験を行った時にも、宇宙空間に晒されたこのプラナリアたちは、行動や生体的に著しい量的な差異を示した。
具体的には、 2つの頭のプラナリアが地球に戻った後に切断された時には、1年間以上の間ずっと「毎回、2つの頭のプラナリアへと成長した」のだ。
この宇宙で引き起こされた奇妙な体の再生の差異は、今後、宇宙空間での傷害や体の切断などの際に宇宙飛行士たちを治療する可能性の中で研究されることになる。
ここまでです。
実験の過程を論文からそのまま掲載させていただきますと、下のようになります。
・Planarian regeneration in space
先ほども書きましたが、「こういうことは、地球上ではほぼ絶対に起こらない」という事実がまずあります。
しかも、たとえば他の生物で、「双頭」というと、「頭部にふたつの頭がついている」のが普通です。ところがこれは「前後に」ついている。
地球では異常や奇形ということになってしまうのかもしれないですが、この「宇宙帰りのプラナリア」は、
「頭も尾も、どちらもそれぞれ頭になっている」
という「前と後ろに頭がついている」ということになっていまして、これは、他の生物でもそういう例があったのかどうかわからないほど珍しいと思います。
そして、最も注目したのは、先ほどの記事にありました、
> 地球上に戻ってきてから切断しても、長期間、2つの頭で増殖する
という部分のところです。
これは、仮に遺伝子に何か変化があったとするならば、「その変化が定着した」ということを示唆していると思われます。
うーん・・・。宇宙空間は生体に直接的に何か影響しているということが、わりと明らかな感じがしますが、どのような作用が?