時の精タイムゼロ(9)
- カテゴリ:自作小説
- 2017/06/15 03:58:58
ゴーン・・・ゴーン・・・ゴーン・・・
軽快な音楽とともにショッピングモールのカラクリ時計が動き出した。ピエロが玉乗りをしながらぐるぐる回転している。街は夕暮れ時の柔らかい日差しに包まれ多くの人が行きかっていた。
時夫と美代子は見覚えがある過去の0の懐中時計を買った太古堂のあるショッピングモールの通りに立っていた。
「ご主人様、過去の自分に会ってはいけません。時の法則に反してしまうからです。隠れて下さい。」
時夫と美代子は、あわててソフトクリーム屋の大きなクリームちゃん人形の後ろに隠れた。
「時夫くん、新しく出来たショッピングモールはどんなかな。」
おしゃれな服を着た可愛い女の子が聞いた。
「どうかな。美代子の買い物は長いからなー。」
時夫と呼ばれた男の子は笑みをこぼしている。
「そんなでもないよー。」
美代子はちょっとふくれたふりをした。
通りの向こうから、過去の時夫と美代子がふざけながら歩いてきた。2人は、人並みに押されるように太古堂の前を素通りしようとした。このままでは、時夫とタイムゼロは出会う事が出来ない。
「そこに入るんだ。」
時夫は過去の自分に向かって叫んだ。
過去の自分は、ちょっと不思議そうな顔をしたが、美代子と太古堂の中に入って行った。
「ご主人様、やりましたね。これで未来が変わりました。」
タイムゼロは、微笑んでいる。
「これでご主人様と私は出会う事が出来ましたが、ムゲン様と対立するエンド大帝が地球を終末に向かう時間軸に誘導しようとしているので、ご主人様にはそれを私と防ぐ使命があるのです。これから、私と共に過去と未来のあらゆる時間に移動する事になります。美代子様の指輪の精のクリスタルベティも協力してくれるでしょう。さあ、用意はいいですか?時間の旅の始まりです。」
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