銀河のチェス・ゲーム
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/06/14 05:21:24
「幻影城」からの執筆依頼で、銀英伝の原型作品「銀河のチェス・ゲーム」を原稿用紙で100枚ほど執筆する(この作品の前半部分が銀英伝冒頭に書かれている宇宙史となる)。
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銀河英雄伝説の元となる作品「銀河のチェス・ゲーム」はスペースオペラの小説を書くぞと意気込んだ
小説家、田中芳樹が書いた短編作品と言われるが出版社倒産がなければ、長期連載する思惑だった。
当初は「宇宙三国志」などと変なタイトルを押し付けられそうになった。
出版業界の三国志好きは有名で、何でも本のタイトルに三国志という名前を付けようとするのだが、
本の内容と三国志との共通点がほとんどなくてもタイトルに三国志を付ければ売れるぞと出版業界は考えなしに、
やたらと三国志本にしたがる傾向がある。
それはともかく「銀河のチェス・ゲーム」は結局、出版社倒産で雑誌に掲載されて終わりだった。
銀河英雄伝説マニアとしては是非、その本を読みたいなぁーと思ってはみても内容的には銀河英雄伝説の
範疇を超える物ではないのだろう。
銀河英雄伝説はスペースオペラと言いながら、その実はファンタジー的な都合の良い設定が目につく。
帝国と同盟は細長い宇宙回廊でしか繋がっていないというウルトラ設定は
宇宙はただ、広いだけの無限の空間であると学んできた者にとって奇異な論理でしかない。
これはある意味、設定ミスだろう。
例えば帝国と同盟の星域が無限に近い距離で隔てられているという設定にして、二つの領域がワームホール
(時空の一点から別の離れた一点へと直結する空間領域でトンネルのような抜け道)で行き来できるという話にすれば、
宇宙回廊の不思議理論はいくらか緩和されたのではないだろうか。
帝国の奴隷の末裔が宇宙船を建造して宇宙の彼方に移住して同盟政府として繁栄していた、
という時点で多くのSFマニアは「えっ?」と困惑するだろう。
その繁栄した同盟政府が帝国軍にわざわざ攻撃を仕掛けて、その戦争が150年間続いていたという話は荒唐無稽すぎる。
SF作家アイザック・アシモフ作 銀河帝国の興亡(ファウンデーションシリーズ)では
巨大な帝国が文明の頂点を極めた後、何百年も掛け衰退し代わりにファウンデーションという組織が宇宙を支配する過程を描いていた。
銀河帝国と戦える戦力を整える事、自体が不可能なのだから小説、銀河英雄伝説のような二大勢力による百年戦争は起こりようもない。
だとすれば映画スターウォーズの同盟軍も銀河帝国の敵ではなかっただろう。
スターウォーズではジェダイという超能力騎士団?が悪の皇帝を倒すことで戦争が終わっていた。
小説、銀河帝国の興亡でもミュータント(超能力者)軍団がファウンデーション(組織)に襲いかかる話になっていた。
という事は超能力者軍団が最強の存在、という話の筋が昔のSF小説、SF映画作品のよくあるパターンだったのだろうなぁ。