警視庁捜査一課9係 season12 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2017/05/25 16:48:11
警視庁捜査一課9係 season12 第7話「殺人フェイク」
テレビ朝日 水曜夜9時~
▼問題編
今回は、窃盗罪で逮捕された過去がある男が、頭を殴られ殺されていたという事件でした。
ポケットには20万円が入った封筒があり、現場には女物のサンダルの下足痕が残されていました。
9係の面々はいつものように3手に分かれて捜査を開始します。
そのうち彼らは、介護施設で働く理沙という女性に行き当たります。
理沙は過去にAVに出演した経験があり、その時被害者がスタッフの中にいたことで、
職場や交際相手に過去を知らせると脅され、20万を渡していたのです。
一方、現場にあった下足痕は、理沙の職場の介護施設に通う小川春江という老女のものでした。
春江は認知症を患っており、記憶も曖昧で娘の顔すら分からなくなることがあるそうで、
その娘の静子の証言では、春江のサンダルは1ヶ月ほど前に春江が紛失してしまったそうです。
また、理沙が被害者に渡した20万は、ちょうど理沙が脅迫されていたところを見かけた静子が、
同情して貸したものでした。
静子は女性を支援するNPOに入っていて、虐待されている女性の事情に明るいということでした。
また静子には優一という弟がいて、春江は優一を溺愛しており、優一は甲斐甲斐しく春江の世話をしています。
しかし介護施設でボランティアをしている矢沢の妻が言うことには、優一はしばらく行方不明で、
1ヶ月前になって急に戻ってきたと言うのです。
調べてみると、優一は3年前に海に転落して行方不明になり、いまだに捜索願が出されている状態。
浅輪が小川家の庭を調べると、納屋のガラス戸がガラス切りで穴を開けられており、
空き巣がよくやる手口なのですが、静子に聞くと何も被害はないどころか今まで気づかなかったと言います。
さて、まだ出ていないヒントはありますが、ここまでで一度、犯人とその動機を当ててみましょう。
▼更なるヒント
被害者は以前逮捕された時、主犯は誰だか知らないと証言し、証拠不十分で釈放されていました。
その時一緒に捕まった共犯者の中に、ある人物にそっくりな男がいたのです。
また浅輪は、小林家に飾ってあった家族写真の優一は右に腕時計を着けているのに、
実際の優一は左に着けていることに着目。、
そして小林家の庭から、左利き用の古いグローブを見つけました。
ここまで書けば、誰が犯人かわかりますよね?
▼解答編
実は今回の事件、一番の謎は優一が別の人物と入れ替わっていたことでした。
その人物は、被害者の共犯で、窃盗事件の主犯だったのです。
彼もまた証拠不十分で釈放され、その後小川家に盗みに入ったのですが、春江と出くわしてしまい、
優一にそっくりだったため、春江は優一が帰ってきたものと思い込んでしまいます。
静子は彼が優一ではないと分かっていながら、優一が行方不明になってからというもの、
落ち込んで認知症が悪化していた春江の変化を見て、何も言わず彼を優一として受け入れることにしたのです。
偽優一も、そのままその家に居座り、家族として過ごしていたのです。
それに気づいたのが被害者で、理沙を脅迫するくらいですから、偽優一も脅迫しないわけがありません。
2千万よこせとか、春江を殺してやれば遺産が転がり込むだとか、無理難題を押し付けてきたため、
偽優一がキレて殺してしまったんですね。
現場にあった下足痕は、偽優一の様子がおかしいと、こっそり様子をうかがっていた静子が、
春江からもらったサンダルでつけたもので、サンダルは庭の花壇に埋めていました。
▼家族の絆
今回の話は、なんかよかったです。
偽優一は小川家に対してまったく悪気はなく、優一として過ごせることに幸せを感じていました。
また静子も、本当に弟が戻ってきたような気分になっていたのでしょうね。
最後まで優一をかばおうとしていました。
先に息子を亡くす悲しみは、経験したことがない者には想像だにつかないくらい深いものだと思います。
深い悲しみは人間を中から殺していきます。
ましてや認知症だと、致命的なダメージを与えかねません。
今回優一が逮捕され、春江はまた優一を失いました。
春江がどうなったのか、気になってしまいますね。
私が裁判員なら、なるべく早く偽優一を解放し、小川家に返してやりたいです。
だって春江を殺そうとしていた男を止めるための殺人だったわけですからね。
過剰防衛と考えていいと思いますよ。
ちなみにこの偽優一を、小林稔侍の息子・小林健が演じてました。
小林稔侍の息子であることは、後で調べて知ったのですが、なるほど似てるなーと思いましたよw
残念ながらお父さんのようなカリスマ的な人気はありませんが、出演作品は多いようですね。