【花蝕外伝】 第二話
- カテゴリ:自作小説
- 2017/05/20 00:45:53
基本情報 ↑ 名前ラズィーズ 魔力・幻惑 専攻・薬学 弓使い 女性型のくせに、女性型悪魔にモテるらしい ( ̄~ ̄lll)
注意・この物語はフィクションです。
登場する人物・事柄は全てARCHMASTERです。
また、悪魔の階級、魔界の設定等、全てこの物語の中だけのものです。
ご了承くださいませ。
【ロワゾーの独り言】
深夜の怒声に いったい何事だっ! とラズの部屋に飛び込んでみたら、
ワルドとシュラが、ラズを叱りつけているところだった。
ラズの部屋を訪ねてみたら戻っていなかったので、また何かがあったのかと心配をしていたところに
ノンキな顔をしたラズが帰ってきて… という流れで お叱りタイムとなったらしい。
ラズは… といえば、おとなしく叱られてはいるが、その表情はなんとも微妙。
理不尽な叱責に憮然としているようでもあり、仕方ないなぁと諦めているようでもあり、
困惑しているようでもあり、苦笑しているようでもあり…。
まあ一言で言ってしまえば、ラズらしいラズを、いつもよりもエキサイト気味のワルドと、
いつもと大差のないシュラが とり囲んでいるというだけのことだった。
『とにかく危ないところには近づくな!』
ワルドにしては珍しい命令口調…。肝に銘じておけ、ラズ。その一言には私も激しく同意する。
◆ トラブルメーカー 第二話 ◆◆◆
私 (ラズィーズ) は、朝から何度目かのため息をついた。
昨日のマダム・ラガーフェルドの 『マダム・ダヴリューに気を付けろ』 という忠告は
さすがに無視することは出来なかった。
爵位を持つ貴族で、亡き夫君が経営する重工業系の企業を受け継ぎ、さらに売上を伸ばす手腕を持ち、
見た目の優雅さからは想像もできない、鋼のような心の強さと、
鋼の表面のごとき冷めた観察眼を持つとされる女傑だ。
軍に属する者ではないにしろ、軍事国家の側面を支える重要な一角であるのは間違いない。
よそ様の夫婦喧嘩を気にするとは到底思えないし、バイト学生ごときを心配するタマとも思えないし…。
そう考えると あの忠告が、よけいに気味の悪いものに思えてくる。
いちばん得意は弓だが、まさか弓と矢を常に携えて行動するという訳にはいかないだろう。
隠しやすさを優先し、短剣を身につけておくことにした。
あとは気にしても仕方がないので、研究に没頭しよう。
とりあえず今は、可愛い可愛い細胞ちゃん (細胞腫はヒミツ❤) を増やすことが肝要だ。
いっぱいに増やして、ある反応性を確認し、その反応性が私が思った通りであれば、
その再現性を確認して ひとまずオッケーとなる予定なのだが、
そもそも培養しているハズなのに、ウチの細胞ちゃんは何故か増えない ( ̄~ ̄lll)
こんなトコロで つまづいてど~するよ! と思いつつ、何度も何度も見に来ているのに変化が見えない。。。
どこが悪かったんだろう !?
昨夜、私を叱るワルドとシュラの顔を見ているうちに (彼女らとはゼンゼン関係ないけど)
もしかしてアノ薬品を加えてみたら Σ …と思いついたことがある。
お叱りの最中に、そんなコトを考えていると知られたら怒りを増幅させてしまうのは解りきった話なので
もちろん口には出さなかったが…。
それをまず試してみよう~と研究室にこもった。
おおっ❤ 今までと反応が違う Σ いいぞ~ ガンバレ 細胞ちゃん!
動き始めた細胞ちゃんに気をよくして、寮の食事室に向かうと、
ちょうどロワゾーが遅めの食事を始めるところだった。剣の稽古に没頭して時間を忘れていたらしい。
その向かい側に席を取り、いい感じで細胞ちゃんが育ってくれそうだという話をしたら…。
まるで飼っているペットを自慢しているようだと笑われた。
ついでに、今日バイトは無いのか !? と聞かれたので、無いと答え… ふと気になっていることを聞いてみた。
「服とかアクセサリを買うくらい一人で行けばいいと思わない?」
「イキナリ… なんの話だ?」
「マダムたち。服を買うのにバイト代を払ってまでエスコートを欲しがる理由が解らんのよ」
「それは心理学の分野だな、私に聞くな」
言われてみれば、その通り… だが、心理学専攻に気やすく聞けるヤツはいただろうか… と考えていると、
「なにをバカなことを…。あんたたちも女性型でしょう」
ワルドが呆れた顔をして私らを見下ろしている。
私とロワゾーは思わず顔を見合わせ、同時にワルドに視線を向けた。
「男性型の購買行動は目的型であって、自分の条件に合致するモノを速やかに購入することが重要になる」
「ほぉ…」
「対して女性型は、購買に至るまでの過程を楽しむことを重要視する。複数の店を巡ることもしかり」
「へぇ~」
「試着においては感想を求め、相手の賛同・共感を得ることが満足感を高める重要な要因ともなり…」
ワルドの講釈は続く。言っていることは興味深いし、確かにその通りだと思うマダムは多いが…。
「つまりラズは連れ歩くに都合がいいのよ。褒め上手だし、可愛い男性型を連れている気分も楽しめるし」
「なるほどな」
「ロワゾーはもう少し女性型の扱いを覚えたほうがいいわよ」 …と言われたロワゾーが憮然として問う。
「じゃあワルドは、男性型の取り巻きが買い物に付き合ってくれたら嬉しいのか?」
「まっぴら。っていうか邪魔」
そんなの当然でしょ という顔をするワルドに、じゃあ今までの講釈は何だったんだ とツッコミを入れそうな…
そんなロワゾーを横目に、
でもホントに、それだけなんだろうか !? という疑問も湧く。
その夜、私は、マダム・ダヴリューから 『買い物に付き合え』 メールをもらった。
指定日時は、三日後の夕刻。
暇を持て余し、行くとなったら今日の今日… というパターンが多いマダムたちの買い物。
それがなぜ、今回に限って、三日も先の話なのか。
マダム・ラガーフェルドが懸念する通り… やっぱり なにかあるんだろうか !?
(第三話に続く)
5月最後の日曜日に終了させるべく調整を図ることにいたしました ( ̄m ̄*) 明日の日曜日も更新予定。
◆ 悪魔シリーズ著作者・ゆうなさんの本編と今までのシリーズ (目次)
https://goo.gl/sGPglp
◆ ARCHMASTER のみなさまが執筆、現在連載中の外伝シリーズ (目次)
https://goo.gl/dikvCf
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お買い物すると言って呼び出して、腎臓を買うみたいな〜
悪魔なバイトもあるでよ
混ざりたい(*´∇`*)
確かに知られたら、シュラーフ様とワルドはもっと怒り狂いそう♡(。→ˇ艸←)
マダム・ダヴリューの行動……気になりますね。
次話読みに行ってきますε=o(*’◡’)o
M気質… も、うん確かに あるかも~~~。
なにしろ自らを実験台になんて するんですから ヾ(--;)ォィ
自らトラブルに巻き込まれる?
ラズ様って、M気質なの?(オイw)
ラズたら!
「こら~!真剣に話してるのに、細胞のことを考えるなんて・・何たるオタク!!」プンプンww
が、ミステリー仕立てなんて、そんな高度な技は使えませんw
はい、その通りw 災難が待っています (((o≧▽≦)ノ彡
ミステリー仕立てなんですね(๑•̀ㅂ•́)و✧
明日も読めるというo(^-^)o ワクワクッ