ネックレスの環
- カテゴリ:アート/デザイン
- 2017/04/20 01:46:31
お気に入りの持ち物?
うーん、ちょっとちがうかもしれないけど、ネックレス。
十日ほどまえに、仕事中に金具がこわれてしまって、修理に出した。
首がさびしくて、仕方なかった。
K18のチェーンネックレス。
すきなオパールがペンダントトップ。
チェーンネックレス自体は、19歳ぐらいからずっと首にしてる。
肌身離さず。
だから、もう、ほとんど、身体の一部になってて。
亡くなった親戚のくれた形見というのもあって。
わたしにはいつもやさしい叔父さんだった。
ともかくこの十日間、さびしかった。
グラム数は、総量25グラムにもみたないのに。
首が軽かった。
鏡をみるたび、首に違和感があった。
きょう、やっと修理からもどってきた。
さっそくつける。
よかった。なおって帰ってきてくれた。
もっているものも、一日一日、崩壊にむかっている……。
人が一日一日、死にむかっているように。
そんな文章を眼にした次の日、ネックレスがこわれたから、
なにかの符牒のようだと愕然とした。
でも人は死ぬが、なにかが残る。あるいはわたしは死ぬが
わたしのなにかが継がれる。
わたしには子孫はないけど、まあ、なにかが。
同じ本に、それが永遠だと書いてあった。
ネックレスも直って帰ってきた。また一日一日。
死に向かいながら、再生もするのだ。