10冊しか並ばない本棚があったなら
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/01/24 08:19:42
アミーチスの『クオーレ』、少年の一人が自室に本を上手に並べる描写が好きでした。
自分の本をまだ数冊しか持っていなかったころ、ぎっしり詰まった書架に憧れた。
本が増え続けたのはそのためかもしれない。ハードカバーは大きいので敬遠気味。
出版社別、原作の時代別、ジャンル別等いろいろ試したものです。
そのうち、この作業には二面性があることに気付いた。
自分はどうなりたいかの隠喩であり、自分をどう演出したいかという虚栄でもある。
表現を演る上で好ましくない精神状況だと思い、本棚の順序に拘るのをやめ、
しょっちゅう手に取る本を一番取りやすい場所に置くことに決定して、数十年経過。
時々入れ替わるけど、おおむねラインナップは固定傾向です。
さて、10冊しか並ばない架空の本棚に、大切な10冊だけを配置しよう。
思いつくまま並べるしかない。並べると何が見えるのか。
見られたい自分ではなく、自分の軸になっているものを選ぶ努力をしてみる。
・幸福な王子 (オスカー・ワイルド)
・渚にて (ネビル・シュート、創元の旧版)
・大地(Ⅲ) (パール・バック 全四巻の三冊目)
・泰平ヨンの航星日記 (レム、ハヤカワ旧版)
・どくとるマンボウ航海記 (北杜夫)
・無常といふ事 (小林秀雄)
・現代ジャズの視点 (相倉久人)
・新約聖書 (口語版)
・臨済録 (朝比奈宗源の旧版)
・インプロヴィゼーション (デレク・ベイリー)
見栄皆無、ほぼ読んだ順になってるはず。幼児期から十代に読んだものが大半。
おそらく自分の好みはこのどれかに繋がる。文化全般への嗜好が透けて見える。
わ、『クオーレ』入れ忘れた! でもどれも抜けない。センセー、11冊じゃダメ?
NHKラジオで熊倉一雄が『航星日記』の朗読をやったことがあり、あの声で吾輩が脳内に刻まれました。
トルルとクラパウチュスだと拙者、貴公。レムのユーモア作品で文語調を使ってないと、私には違和感があります。
10冊選んだあと自分で冷静に眺めました。『人間性への信頼』というのが通属低音かもしれません。
繰り返し繰り返し読むにたる本である、と書いておられますが、
なんとなく納得のラインナップですね。
『泰平ヨン~』は旧版でなくちゃ。
新版は「すべからく」の誤用、助詞の欠落など、わたしに早川書房不買を決意づけたほどのひどさです。
泰平ヨンの一人称は吾輩、ですよね♪
相倉久人氏の本は読んでみたいです。臨斉録も。
新約聖書は、わたしなら文語訳ですね(持ってます
なかなか面白そうな企画でわたしも真似したいのですが、
果たして10冊、まとまるかしら……。
コメント有難うございます。うむうむ、この違いはとても面白いですね。西遊記、オズ、虚無回廊は特に興味深い。
この三冊、一種の群像劇ですよね。私の読む物語って、結局は孤立する主人公ばかりなんです。
きっと人の輪を重視なさる人柄の顕れではないかしら。動物モノにもその片鱗を感じますです。
え・・・と、、、
200個ばかり発注しておきますw
え、ダメ?
むむむ。
岩波少年文庫の西遊記、
小松左京の虚無回廊、
アメリカの鏡・日本、
人を動かす、
オズの魔法使い、
ギリシャ神話、
猫語の教科書、
ローマ人の物語、
文字の歴史、
しばわんこの和の心(シリーズ)、
ヒロシマはどう記録されたか、
あ、あれ?
もうオーバーっすか?
ま、まだあれもこれもそれもあるんです〜(^O^)