Nicotto Town



沖雅也という俳優さんのコト


藤田まことの特集番組で、一瞬写ったのが沖雅也という俳優さん。
三十路に入ったばかりで自ら世を去り、もう30年以上経過します。
私は彼の主演したテレビ番組『俺たちは天使だ!』に非常に好感を持っている。

バタ臭い二枚目で、ニヒルな異端児ばかり演じた彼の、おそらく唯一のコメディ。
芸能界的な社交に全く耐性のない個人主義の人だったそうだが、
本人が一番気に入っていた作品だったと知って非常に嬉しかった。

『俺たちは天使だ!』とほぼ同時期、水谷豊は『熱中時代 刑事編』に主演、
しばらく後になって松田優作の『探偵物語』も始まる。どれも好きだった。
SYOGUNというバンドのケーシーランキンの声を聞くと、この時代を思い出す。

沖雅也の暗い眼は魅力的であった。だが『俺たちは天使だ!』はドタバタであった。
いい若い者たちが探偵ゴッコでアメリカコメディ的に大騒ぎするのが魅力だった。
元は時代劇の企画だったが現代劇に変更になったという。それが功を奏したのだろう。

個人主義の人間だってドタバタはやりたいし、自分のバカさ加減を知らしめたいのである。
彼の演技を見ると、そんな重層的な意味も感じてしまう。不遜にも親近感を感じる。
何よりも彼が、その演技やドラマを楽しんでいたのだということに喜びを感じます。

番組の主題歌のサビに「運が悪けりゃ 死ぬだけさ」という一節が出てくる。
カントリー風の明るい曲調で、沖雅也の人生を予告するかのような曲である。
流れ弾くらって、どうせ一度の人生、運がなきゃ死ぬだけ。でも作品は残ったのです。

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2017/01/15 08:12
>ヘルミーナさん

無軌道な若者が精いっぱいの虚勢を張ることが照れくさく、それを敢えて軽く歌ってみた、
いわゆるツッパリ的な曲調だったのですが、沖雅也の死によってガラリと印象が変わったんです、この曲。
現実を茶化した結果訪れた、悲惨なありふれた死。このメッセージは松田優作『探偵物語』最終回も同じです。

また、この手の音楽はアメリカンニューシネマの勃興時に出たものと肌合いが似ています。
西部劇の端役にボブディランが出てきて一曲歌ったり、イージーライダーのテーマが実は暗いブルースだったり、
ゲッタウェイ、ワイルドバンチなどのサムペキンパー物の音楽にも顕著です。ベトナムの影響でしょう。
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2017/01/14 18:24
最後の一節を読んで、
デ・パルマ監督の「ファントム・オブ・ザ・パラダイス」のエンディング曲、
"The Hell Of It"を思い出しました♪

生きたところで負け犬、死ねば音楽くらいは残る♪

この歌、山田花子さんの漫画で有名になってしまいましたが。



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