お気に入りコーデ

武ちゃんは　助けてくれと言う声を聴いても　心の中で　なんまいだーなんまいだーと唱えるだけで　武は何もせずただ茫然とカメラを回していた　周りの建物は殆どが瓦礫になっていた　服は燃え尽きて皮膚は焼けただれて黒こげの人間たちがただ蟻が歩くかのように歩いていた　もう死んでいるのだろう　真っ白な灰になった状態の屍もあっちこっちに　歩いている人の中には　左胸の下がぱっくりえぐれていてピンクの肉が見えている人もいた　皮膚が垂れすがった人間がまるで　うらめしやー　と言ってる感じで　ただひたすらに歩いていた　助けてと言う子供の声が近くから　武は動いた　火が燃えていて　その近くで小学校くらいの子供が家の瓦礫に押しつぶされていた

武「待ってね　今助けるから」瓦礫を退けようとしたが　全然動かなかった　大きな声で

武「誰かいませんか　助けてください　自衛隊の人早く来て」来る様子はなかった