Nicotto Town



とおの物語 その2 座敷わらし

ここはとある田舎の村

村はずれに流れる川のほとり
小さな橋が架かっています

「ここを渡るととなり村だね」
小さな女の子が二人で話をしています

通りかかった村人が言いました
「お嬢ちゃんたち何処へ行くの、もうすぐ日が暮れるよ」

「わたしは隣村の長者様のところへ」
「わたしは山を越えてお殿様の所へ」

「あんたたち・・・もしかして」
瞬きをした瞬間女の子たちは目の前から消えていました

「座敷わらしだ
この村の庄屋さんとこのわらしたちだ」

庄屋の家には古くから二人のかわいい女の子の
座敷わらしが住んで居ると言われていました

でもどうして出ていったんだろう
村人は恐怖に震えました

何かある
庄屋さんになにかが起こる

その月の終わりの事です
大洪水が起こりその村は多くの家が流されました

庄屋さんの家も畑も跡形なく
流されてしまいました

幸いな事にこの村では命を落とした人は
誰もいませんでした

それから7年後
何とか村人たちは家や畑を作り直しました

そして神社を建て7年ぶりに村のお祭りを
復活させることにしました

不思議な事が起こりました
お祭りの日に神様に備えるおはぎが突然無くなったのです

7年ぶりに庄屋さんのばあさま様が
丹精込めて作ったものです

「どうしたものか」
ばあ様は急いで作り直そうと台所へ

「あれっ」
ばあ様は大声をあげました

小さな女の子が二人
口の周りにほっぺたにあんこをつけて立っていました

笑いながら楽しそうに
「おはぎおはぎ美味しいな」と歌っていました

そして瞬間に消えてしまいました
「わらしこたちが帰ってきた」

ばあ様はこの家に嫁いできたときから
おはぎを作っていました

神棚に供えると必ず2つ無くなっていました
もちろんばあ様は黙っていました

わらしこが食べている
そう感じ取っていました

おはぎを食べたくてもどってきた
座敷わらし

今回も内緒にしておいたのは
言うまでもありません

その後庄屋さんばかりでなくこの村も
栄え続けていたと言う事です


「遠野物語」のもじり変型判・・・『10の物語』
その2座敷わらしでした

戻って来てくれたわらしたち
庄屋のばあ様の「おはぎ」のおかげです

美味しさ+心の暖かさ
神様は知っている・・・ということでしょうか^^


アバター
2016/10/04 00:30
奈柚様

そうなんです
おはぎって好きなものですから

かわいい 「女の子の座敷わらし」
この家の 「やさしいおばあさん」

間に入っているのが 「おはぎ」
単純でいいかな?

ハッピーエンドが好きなものですから^^

食と愛
解る気がします

二つとも目の前にある大切な物ですからね
一つは見えて、一つは見えない

無意識のうちの意思表示なんでしょうね
アバター
2016/10/03 22:57
座敷わらしが帰ってくる話は初めてです^^
おはぎ食べたくて っていうのがセカンドさんらしいね♪

食べるって行為は
愛を受け取る行為なんですってね
だから 拒食してしまうのは
その愛は食べれない っていう意思表示なんですって
カウンセラーの話です
アバター
2016/10/03 00:12
実は実話で・・・・・・・・・ありません

でも先日のそのⅠの物語でも書きましたが
ネタは遠野物語です

数行~数十行の
短いお話がいっぱい書かれています

本来は二人のわらしが去った後
その一家は使用人と20人くらいが食中毒で死亡

まぁ家が途絶えてしまう訳です
話はそこで終わってしまいます

10行無いくらいですかね
であとは想像で書きました

10の物語
遠野物語風のセカンドオリジナルも考えています

それより10話続くのかな? ^^
アバター
2016/10/02 11:07
こんにちは。
実話ですか…?

とってもリアルなお伽噺にありそうなお話だと思いまして…



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