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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(46)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (5)

勿論ギリシャにも事實此の以外の傾向はあるが、吾人がクラシカルといふ時の中央概念は外形本位といふことである。クラシシズム即外形主義、而して外形を本位とする限りは、自然が現實に造り出してゐる者以上の標準は無い譯であるから、茲に外形に見はれた自然すなはち現實を最高模範として、藝術は之れを模冩する外は無い。自然の模冩、外形の模冩、是れがギリシャ人につきまとふ美學思想である。



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*註1:勿論ギリシャにも事實
原本ではこの文頭は前ページの文末より改行なしでつづいている。

*註2:中央概念
「概」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/reki.jpg

*註3:現實に造り出してゐる者
「造」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
「者」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/mono.jpg

*註4:茲に外形に見はれた自然
「茲」の俗字体か(?)。Unicode にも文字種がないようなので作字してみた。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/koko.jpg

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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html




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