Nicotto Town



スポーツ選手の物語

オリンピックで熱戦が繰り広げられている。
あまり関心がなかったけれど、
テレビについ見入ってしまう。

こうした機会に、日本ではメジャーではないスポーツが
脚光を浴びるのは喜ばしい。

卓球やバドミントンが世界大会で大活躍しても、
なかなか大きく報じられない。
女子卓球は福原愛や石川佳純、中学生コンビらがいて
それなりに大きく報道されるようになったが、男子は日陰的存在。
水谷が銅メダルを獲得したことで、クローズアップされている。

バドミントンもトマス杯やユーバー杯で優勝、準優勝しても、
ヤフーニュースには全く無視された。
例の闇賭博事件関連は大きく扱われていたけれど・・・

メダリストたちの物語は、新聞やテレビでここぞとばかり語られる。
福原愛の幼いころからの物語は、ほとんどの国民が知っている。
けれど、世界大会でやっとメダルを得ることができた水泳の金藤や
遠い異国で練習を積んでいたカヌーの羽根田の物語は
やっと語られ始めたに過ぎない。

体操の内村の存在は、圧倒的強さゆえに国民には周知だけれど、
補欠に回ってスタンドから応援する選手たちは、軽く触れられただけだ。
メダルを逃した、入賞ができなかった者たちへは
口先だけの労いだけで、温かいまなざしが送られることはまずない。

やれカッコイイだの、誰かに似てるとかという
スポーツの本質や人間性を無視した取り上げ方は無惨ですらある。
地道にスポーツ選手を追い続ける、真のジャーナリズムの不在。

沢木耕太郎の『敗れざる者たち』という1冊の本。
人に薦められた読んだのだが、脚光を浴びた選手たちの
「敗北」を執拗に追っている。
でも、「敗れ去った」ではなく、「敗れざる」なのだ。
そこに、作者の温かいまなざしがある。

大会に出ることが叶わなかった選手、出場しても予選で敗退していった選手、
選手たちを陰で支え続けた方々にだって、物語があるはずではないか。
それを丹念に追う、ジャーナリストはいないんだろうか。

甲子園では高校野球をやっている。
かつて弱小チームではあったけれど球児であり、監督経験もあるけれど、
金と欲にまみれた感がある強豪校より、
地方大会の1回戦で敗れていったチームの選手の中に、
「甲子園の心」があるように思えてならない。

ただ勝った、負けたではない。
スポットライトを浴びることができなかった選手やコーチたちの
物語の中にこそ、僕らは得難い何かを学べるのではないだろうか。


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2016/08/13 20:22
うんうん
メダルを取ることは本当に大変なことですね。
期待しすぎなところもありますが
応援したくなります。
特に柔道や水泳はハラハラしながら見てましたよ。



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