時の精タイムゼロ(1)
- カテゴリ:自作小説
- 2016/08/03 14:59:32
ゴーン・・・ゴーン・・・ゴーン・・・
軽快な音楽とともにショッピングモールのカラクリ時計が動き出した。ピエロが玉乗りをしながらぐるぐる回転している。街は夕暮れ時の柔らかい日差しに包まれ多くの人が行きかっていた。
「時夫くん、新しく出来たショッピングモールはどんなかな。」
おしゃれな服を着た可愛い女の子が聞いた。
「どうかな。美代子の買い物は長いからなー。」
時夫と呼ばれた男の子は笑みをこぼしている。
「そんなでもないよー。」
美代子はちょっとふくれたふりをした。
永井時夫と桜丘美代子は同じ大学に通う大学1年生だった。
「あそこ、あそこ、開店で人がいっぱいだわ。」
通りの奥に大きなビルが見えてきた。そのショッピングモールまでは小さな商店がつらなる通りになっている。時夫は通りの人並みに流されるように商店街を歩いていたがなにか声が聞こえた気がした。
そこに入るんだ。
そう聞こえたような。
ふと気がつくと骨董店の前に出ていた。看板には骨董の太古堂と書かれている。
時夫は何故だかその店に入りたくなった。
「美代子。ちょっとここに入ってみようよ。」
「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー。時夫くんってこんな趣味があったんだ!」
美代子は驚いた顔をしたが、時夫の後に続いて店に入った。
ギィ~~~
木製のドアを開けて中に入った。店の中は所狭しと時代物の遺物が並んでいた。明王朝の壺、中世の鎧、江戸時代の掛け軸などさまざまな物が並んでいた。
時夫はお店の奥の方で何かが光った気がした、一番奥の隠されたような棚の中だ。
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