ジャッジメントシャドウ✰影の裁判官(1)
- カテゴリ:自作小説
- 2016/07/10 07:57:34
パララ・・・ラ・・・ラララ・・・
爆音を響かせて、暴走族の一団が山奥の道を走って来た。
「翔、この辺の寺に天寿観音の像があるはずだ。」
「颯太、テメェほんとうに観音の首を盗れるんだな?。」
「ああ、おれっちに盗れないものなんかねえんだよ。」
横から、ゲラゲラ笑う声が聞こえる。
「悠真、テメェもなめくさるんじゃねえぞ。」
翔と呼ばれた男が悠真のバイクを蹴った。
「なにしやがる!」
悠真が翔を殴ろうとした時、「天寿観音だ!」と颯太が叫んだ。
前方に小さなお寺があり、その境内に小さな祠が見えた。
「ほんとにあるじゃねえか。」
颯太は、かなづちを取り出すと祠の中に安置してある天寿観音に近づいていった。
御霊寺は、その昔飢饉が起きた時に鎮める為に建立された天寿観音を祀っている山奥の秘寺である。
天寿観音は、祠の中に人々の平安を祈るように燦然と輝いていた。
颯太はかなづちを手にジリジリと近づいていく。
そして、かなづちは振り下ろされた。
バキッ・・・鈍い音を立てて天寿観音の首は折れてしまった。そして、首は地面に転がった。
「ひゃひゃひゃ・・・やっちまった。やっちまった。」
悠真は、愉快そうにニヤニヤしている。
その時、御霊寺の方から悲鳴があがった。
「あなたたち、なにをしてるの!!!」
御霊寺から若い女の子が飛び出してきた。
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