Nicotto Town


ごま塩ニシン


脳活『為ブログ』461-4

  突然で、御免なさい。
 留守番を頼まれ、することがないので私は道路側の窓を開けた。風がワ~と入って来て、髪の毛の間を抜けていく風に心地良さを感じた。道路を走る車の音や周囲のどこかで行われている工事の騒音が耳を刺激した。見下ろすと、道路の向か側の歩道にコーヒーゲートのマスターの姿が見えた。昼間、客がいないから暇を持て余しているのだろう。
 私はコーヒーを飲み終えたのでカップを返却しようと考えた。部屋のドアを開けたものの鍵は持っていない。どのような状態にしておけばいいのか迷ったが、部屋の中には事務机と椅子しかない。何も盗られるものはない。それに窓を開け、入り口に立ってドアを開けていると、風がスイスイと抜けていき、非常に気持ちがよかった。この気分の爽快さに誘惑されたのか、ドアの下に置かれていた小さなドア止めの木製ブロックに気付いた。ドアを開けたままにしておいても、コーヒーカップを持っていくだけの2~3分の間のことだから問題はないだろうと思ったのである。
 ビルの前の交差点に立っていると、マスターが気づいた。
「これから取りに行こうと思っていたのです。」と大きな声で言った。信号が青になるとマスターは横断歩道を駆けて、カップを取りに来たので、感じていた疑問点を手取り早く質問してみた。
「普通の事務所ビルなのに、どうして組事務所なんかあったのですか。」
「裏事務所ですわ。裏金融をやってたんですわ。普段は静かでしたね。家主も騙されて、入居させたのです。いったん入ったら、なかなか出ませんから。市場の人や年寄りに高利で金を貸して、あくどい事をしてましたのや。」
 マスターと立ち話をしていると、私は時間の経過が分からくなっていた。
 部屋に戻ると、ニワトリが一羽、「クッワ、クッワ」と鳴いていた。(つづく)


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2016/05/17 19:28
こんばんは♪

強い雨でした~・・・
朝、駅に着くまでにかなり濡れました。
お洗濯物がたまります~(>_<)

昨夜は地震もあったし、大丈夫でしたでしょうか?

帰りは雨はやんで、うっかり傘、忘れちゃいそうになりました。
明日はお天気、いいみたいです(^^)v
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2016/05/17 13:03
(小説活ける。よみうり掲載の直木賞しかりだ。続しろ!。



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