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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(44)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|六 (3)

自然主義と冩實主義との哲理上の干繋は、一層精確に論ずれば、凡そ三様の見解に歸する。第一は兩者を全然同一と見なすもの、第二は兩者間に程度の差ありとするもの、第三は兩者全く質を別にすると見るものである。蓋し美學上から此の問題を論ずるには文藝は何を如何にして具現すべきかといふ二重な根本論の結合したものとして取り扱はざるを得まい。而して是れまでの美學は専ら其の如何にしてといふ方法論の上から兩者を區別せんとしてゐる。何をといふ主題論の一邊が不十分なやうに思はれる。



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*註1:一層精確に論ずれば
「層」の旧字体。「曽」が「曾」。
「精」の正字体。旁の「青」の「月」は「円」。

*註2:兩者
「者」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/mono.jpg

*註3:全然同一と見なす・全く質を別にする
「全」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zen.jpg

*註4:文藝は何を
「文」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/bun_aya.jpg

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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html




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