春の兆し
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/03/03 09:24:00
春の暖かい風に乗って
冷たい隙間風
感じるのは私 それともあなた
もう済んでしまったことなのに
まだ心残りがあって
街の様子は春変わり
行ってしまった季節を振り向きもしないで
新しい季節を迎える準備
寒がっているのは私の心だけ
いつまで抱えているのだろうか
あなたと迎えたかった2度目の春
叶うことはできなかったけど
それでよかったのかもしれない
それでもやっぱり寂しい
寄り添うものが何もないなんて
一緒に行った飛び梅も
もうすぐ盛りの頃だろう
そんな事すらもう遠い出来事で
こんなにも忘れられなくて
陰から出る術を知らない
もう少し暖めていたら
こうはならなかったかもしれない
でもそれは私一人じゃだめで
あなたもそうじゃなくちゃだめで
すれ違う心の中ではだめで
見つからない春を探しに行こう
まだ恋を引きずっているけど
まだあなたを忘れることはできないけど
どこかに落ちた春を拾って
手のひらでそっと包みたい
そんなことができるとしたら
花の季節を迎えられるのだろうか
まだ心の中は冷たくても
息吹を感じられるのだろうか
あなたの事をいい思い出として