タブレット純さんを場末から応援。
- カテゴリ:お笑い
- 2016/02/18 09:38:22
まず初めに。このカテゴリで初めて記事を書きますが、「お笑い」という語は大嫌い。
喜劇役者、コメディアン、漫才師、落語家など、話芸や演技で人を笑わせる仕事は尊い。
この人たちは平安の白拍子、中世の道化、トリックスターの継承者だ。立派な方々だ。
さて。タブレット純さんを初めて見たのはテレビの昭和歌謡の番組。
40歳そこそこなのにドップリ昭和ムード歌謡にハマっていることに感心。
特殊な生い立ちというわけではなく、アナログ的な音楽鑑賞で好みが決まったらしい。
AMラジオやレコードから音楽に入ったというのは、この方の世代では少数派だろう。
この鑑賞法は『耳』が鍛えられるという気がする。映像という余計な情報はアト。
昭和歌謡の本質を、イメージではなく『音楽』として体感してる雰囲気が漂う。
マヒナスターズの最後のメンバーってトコもスゴイですね。
ムード歌謡のグループは、売れないバンドマンと接点・類縁性がタクサンある。
こうした現場を見てきたことも、彼の強みの一つではないかしら。
嫌う方もいるが、デレデレ続く彼のトークも素晴らしい。
自分の好きなものの素晴らしさを、歴史的な経緯を踏まえて説明しようと常に努力する。
話し方の拙さは誠実に繋がり、脱線は「より詳しく伝えたい」という熱意に通じる。
流しの歌手的な、声帯模写二歩手前の声色も好ましいですね。
あれはパロディ要素というより、先人への敬意の現れだと思ってます。
プレイヤー的感覚とでもいいましょうか。節回しも玄人筋にウケるのではないか。
超高齢社会に出るべくして出てきた芸人という位置づけで、あちこち出ているが、
この芸風は一般的なバラエティ向きとは思えない。美川や美輪と組ませたらどうか。
(介護施設回りやらせたらメチャクチャ稼ぐかも。彼の市場価値は高いと思う。)
彼に好感を抱く理由の一つには、ドサや場末をくぐった結果の柔らかい雰囲気もある。
女性的対応ってのは、流しの刹那的客商売を続ける奴の共通財産である。
妙な話だが「お、頑張ってるね、ニーチャン!」と言ってねぎらいたくなる。
凄い才能で革新的な物を生み出すタイプのクリエーターではない。
だが、歴史を知り、現状を知り、良さや意義を伝えるのは『プロ』の資質である。
彼には好きなものを存分に語る、若き語り部としての場を与えてやってほしい。
……埋もれている名曲や珍曲をホントに上手に紹介してくれますね。
あと、時代劇や時代小説の方面の知見を加えたら、無敵になるかもしれない。
がんばれタブレット純。この人はイロモノではなく正統な芸人たりえると思うのです。
あら、お婿様は残念でしたというべきか、タブレット純と同格であることを讃えるべきか。
彼の芸は聴き手側に『知識』を要求している点で、伝統芸能の系譜に連なると思うのです。
落語的な考えオチも散見されるので、この方面を捨てずに続けていただきたいです。
R-1グランプリでは惜しくも3回戦で敗退してしまいましたが。
残って欲しかったなぁ〜、2回戦追加合格しただけに。
もみじさんやけに詳しいって?
はい、婿殿も3回戦で惜しくも敗退しましたので^_^;