冬の海岸通り
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/02/05 05:34:02
冬の海岸通り
江ノ島から 鎌倉へ向かう 冬の海岸通りに
海を眺められる この店がある
週末ともなれば客で にぎあう この店も
冬の平日 天気は曇り 誰もいない
海岸線のよく見えるバルコニーの隅の席に座り
冷たい潮風に吹かれながら呑む熱いコーヒーは
僕の冷えた胸の奥まで ゆっくりと暖めていく
走る車を眺めては 過去の思い 走馬灯のように
過ぎていく ・・・
もう どれくらい ここに座っているのだろう ・・・
壁の時計は 思う程 過ぎていず
冬の海は どこか寂しそうで 時が止まったようだ
僕は 今まで 何を してきたんだろう ・・・
何を したくて 何を求めて いたんだろう ・・・
冬の海岸通り この店の片隅で
僕は 何故 ここに 来たんだろう ・・・
冬の海は 僕に 何を伝えたいのだろう
時の流れは 変わらない はずなのに
長く ゆっくりと感じるのは 何故だろう ・・・
さっきまで 熱かったコーヒーカップは
ほんのり暖かく 手の平の中 ・・・・
なんとなく だけど 答えのヒント 見つけた気がした
胸の煙草 1本 火をつけた
何故か ありがとう って 言いたくなった
小さな声で ありがとう って
冬の海岸通りの海の見える この店は
きっと色々な物語 あるのだろう ・・・
いつか 一度は 来たいと思っていた
今日 その思い 意味 わかった気がする
どんな季節よりも この冬に
誰もいない この席に座り 海を眺めてみたかった
どんなコーヒーよりも ほろ苦くて 寒い潮風が吹きつける
このバルコニーの隅の席は
きっと 僕が ここに来ること 待っていてくれたように
特別な 予約席 だったのかな ・・・
Dream star ☆