Nicotto Town



祈り





祈りは今日も裁かれ続ける




小さなお前には小さな祈り


木々の花よりやさしく空を見上げ

自分の未来を知らぬまま

お前は処刑された




寂しい祈りのかけらでできた

天使たちは痩せこけ

立ち並ぶバラックの教会から

今日も牧師が連行された



罪を裁くのは誰だ



開かれた1冊の聖書の中を

お前はどれほど遠くまで行けるのだろうか

汚れた聖書の頁の中に

お前の安住の地は約束されているのか



お前が処刑された杭には

明日も誰かが縛りつけられ

祈りを残して崩れ落ちていく

杭は祈りにあふれて

新しい処刑者を抱きしめる

 

ゆっくりとどこまでも曲がり続ける1本の道が現れては

お前にたどり着くと泣きながら消える


お前の汚れた膝小僧の眩しさにも

空に突き上げられた両手にも

祈りばかりがやってくる

お前は裁かれるに十分な罪人になっていた

 

お前は知っているのか

その腕から肩にかけて

だれも触れることのなかったやさしさを

聖書を不要とする

おそらくお前の知らない国で

それを広げてそのずっと奥を探している僕を






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