Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


帰る


アナウンスの声が
発車の合図をする
見送る人など誰もいない
一人だけの座席
空白になった時間


生まれた街に帰る
短い旅だけど
でもそこには何もないだろう
鬱陶しいだけの人の影
何故そこに行くの


走りだした車窓から
見えるのは過ぎ去っていく季節
何度もあなたと見た風景とは
全く違うものだけど
心に持った荷物が重い


旅が好きだった
あなたとならもっと
今はそんな気分にはならない
どこに行くというのだろう
心はまだ街の中なのに


乗り換えて
駅を過ごして
段々と近ずいてくる
逃げたかったのか
迷った朝も昼も夜も


もはやつかめない
二人の掌に
書いた愛は儚かった
こぼれてしまうなら
手と手を合わせて受け止めたのに


作り笑いをするだろう
そうしてまた街に帰るのだろう
一つ荷物を置きたかったけど
背負うしかない私の肩に
故郷は暖めてくれるだろうか




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