算数
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/09/23 02:51:40
石垣りんさん詩です。
『算数』
これは寓話ではありません。新しい社宅の立派な空屋と人の住んでいる古い長屋が隣り合って建っていました。
社宅なら引越すことが出来ます。
個人に負担がかかりません。
引越した社宅の庭に
夾竹桃が咲いていました。
木は残されました。
根が生えていましたから。
だれもいなくなった庭に
花が咲きました。
社宅はまだそんなに古くなく
住んで良いと言われたら住みたくなるような家が
釘付けになり荒れ果てていました。
人が住む、ということは
人が生きている、ということは
どれほど事物を生き生きさせることか。
ほんの道ひとつへだてて
二棟の長屋があります。
ここに住む人は生活に根が生えてますから
むかしから住んでいる人たちですから
かんたんに引越し出来ません。
屋根瓦は波うち
倒れかかりそうな長屋全体を精いっぱい支えるように
一棟の十軒長屋は東側から
もう一棟の十軒長屋は西側から
つっかえ棒があてがわれています。
いまにもくずれ落ちそうで
くずれることの出来ない暮しが
屋根の下でくり返されています。
屋根はそうして長屋の暮しをかばい
長屋の格子は風雨をさえぎりました。
そのうちの一軒
公害患者だった、木平さんのおじいさんは
はしから三軒目の屋根の下で
首をつりました。
昭和41年7月10日。
遺書に
「かよ子さん、ながらくおせわになりました。おかげさまで仕事もせず、オカズもあまるほどくれ、ありがとうございました。かたく御礼もうしておきます。」
と書きました。
木平さんのむすこ一家は、
ブラジルに移民しました。
さよなら、四日市
父親が首をつったハリの下で
父親に首をつらせた空の下に
もうそれ以上いたたまれなくなって
別れを告げて行きました。
コンビナートの街中に
二棟の長屋がえがくシルエット
算数ならちょうどイコールのかたち
二本棒の締めくくり
さよなら日本
どうしても一家がしあわせになれなかった国よ、さよなら。
これが木平さん一家の答えです。
========================================
再び、こんな時代にならない事を願います。
立ち止まってしばし瞑目する時間
辛すぎる非道な日本
生きる力を見失った
コンビナート=追い詰められた「さよなら」
骨を埋めたい。」と私以前ガングロ流行した時代非常にそう思いましたね今もそう変わりませんが(笑)
おかぁさまの後を引き継いだ人がいたのを勘違いしてここに書いちゃった><
ごめんです m(_ _)m
(=^. .^=) m(_ _)m (=^. .^=)
それを対比させているのですね。
それでも引っ越ししてブラジルに行った一家がいる。そのわけはと。
ふた棟の長屋がイコールの形でそしてタイトルが算数、
関係あるのかしら。
いつの時代も弱者が被害を受けています。
哀しい話です(○ゝω・)b⌒☆NE!
人は・・便利さと引き換えに・・色んなものを・・失ってるのかも・・。
でも算数なら出た答えにも再計算出来ますよね
喜びをかけたり悲しみを割ったり
人生の答えはあきらめないで欲しいです(^-^)
イコール 等号 がこんな風に 使われるのは悲しい。
ちょっと意味が違うよ、勘違いしないでね、詩を否定しているのではなくね。
こういう意味でのイコールはうれしくない。 ノットイコールになっていて欲しかった(≠ のこと)。
おかぁさまはシーナ・マルシアさん? やっとこさ名前思い出した^^;
今は「自律神経が出張しています」とと伝えください *o_ _)oバタッ ヽ(・∀・)ノ ワチョーイ
(=^. .^=) m(_ _)m (=^. .^=)
PS・アベノミクスの第三の矢が「武器輸出」だったとはねぇ~
好きです^^
私の知らなかった 詩を教えてくださって
ありがとうございました^^