ヤンキーに絡まれた! 2015 (最終話)
- カテゴリ:日記
- 2015/06/23 21:52:00
「やい、コラ!セイジ!」
「ぼ、暴力 はんたーい!」
「はぁ? まだ、何もしてねぇぞ!」
「あ、バラキ君…。 あれ? ここはどこ?」
「寝ぼけたこと言ってんじゃねぇぞ、コラ!」
「イタタタ! ほ、頬をつねらないでー!」
「うるせー! 現実世界を思いしれ!」
「イタタ、あ、映画館…。 映画を観に来ていたんだっけ…」
「もう、終わっちまったけどな!」
「すっかり 寝ちゃってた…」
「ひとと出かける前の日ぐらい、早く寝ておけよな!」
「バラキ君が、今朝 急に誘いに来たんでしょ!」
「あ、そういえばそうだったな」
「昨日のうちからわかってたら、僕だってテスト勉強を早く切り上げたのに!」
「そ、そうか、それは悪いことしたな」
「あ、悪くはないよ。 むしろ、うれしかったし」
「でも、なんだよ、このラブコメ映画! 男二人で観るような映画か!」
「え? ラブコメ? ええと、なんだっけ…」
「た、タイトル忘れてんじゃねぇぞ!」
「あわわ、あ、頭を振らないでー!」
「新鮮な空気を取り込んでくれるわ!」
「あ、思い出した! 『脳内ポイズンベリー』 だ!」
「あれ? そんなタイトルだっけ?」
「そうだよ! 僕は違う映画を観よう って言ったのに、バラキ君が勝手にチケット買っちゃったんじゃん!」
「あれ? そうだったっけ?」
「そうだよ! 『脳内ポイズンベリー』 って、俺とセイジの組み合わせみたいで、おもしれぇ! って、言って!」
「はぁ? 俺のどこが ポイズンなんだよ!」
「ポイズン以外の何者でもないし!」
「まぁ、悪い気はしねぇけど」 (布袋 寅泰のファンだったり?w)
「それにしても、ここ、色々なお店があるね」
「おう、ショッピングモールだからな!」
「あ、もう、七夕飾りが飾ってある…。 あと一月も先なのにね」
「他にやることがねぇのかよ」
「ねぇ、バラキ君。 バラキ君は、今年の短冊に何て書く?」
「書かねぇよ! そんなの信じてねぇから!」
「た、例えばだよ。 もし、書くとしたらの話」
「そうだな、もし書くとしたら…」
「うん」
「そろそろ就職を考える年だから、」
「うん、うん」
「”ブラック企業に就職できますように!” かな」
「ぶ、ブラック企業ー!? も、もっと、まともな企業に就職しようよ!」
「あぁ? 何が まともだよ! まともじゃねぇ俺が、企業に就職できるだけでも ありがてぇことじゃねぇか!」
「そ、それはそうだけど…。 あまり無理はしないでね」
「で? お前はどうなんだよ?」
「僕は…」
「なんだよ? 遠慮なく言えよ! って、俺が かなえてやるわけじゃねぇけど」
「僕は、”第一志望の大学に合格できますように” かな。 月並みだけど…」
「よし! よく言った! 全然 月並みなんかじゃねぇぞ!」
「そ、そうかなぁ」
「そうだよ、お前ならできる! でもな、合格できたからって、それだけで満足しちゃいけねぇ! どんどん勉強して、さらに上を目指せ! そして、立派な大人になって、この腐った世の中を変えてくれ!」
「ぼ、僕にそんな 大それたことができるかな」
「できる、できる! お前ならできる!」
「つ、つまり、政治家を目指せってこと?」
「違う、違う! もっと上を目指せ!」
「え? もっと上って?」
「官僚だ! 官僚になって、政治家を あやつれ!」
「え? 政治家って、官僚に操られてるの?」
「よし!そうと決まったら、凱旋パレードの準備をしなきゃなんねぇな!」
「ちょ、ちょっと! まだ、気が早いよ!」
「オープンカーで凱旋パレードだぜ! まぁ、オープンカー って言ったって、オヤジの軽トラだけどな!」
「ははは、楽しそう」
「 ”ご近所の皆様! セイジ君が立派になって帰って参りました…” 沿道にはびっしり人が出て、旗を振ったり、バンザイしたり。商店街の連中なんて、 泣いて喜んでるぜ!」
「い、今から、凄いプレッシャーなんですけど!」
「花火まで上がったりしてよ!」
「やり過ぎだし!」
「セイジなら 短冊に、 ”世界平和” って、書くと思ったんだけどな」
「あ、そうだね…。 でも、今なら ”日本の平和” って、書くかも?」
「あ、それも、お前らしいな」
「なんだか雲行きがあやしくなってきたからね」
「そうだな、あまり楽観視はできねぇな」
「あそこで勝たせちゃったのがいけなかったかな…」
「そうだな、もう少し踏ん張れば よかったかもな」
「この先、どうなっちゃうんだろ…」
「先は読めねぇけど、ひとつひとつ勝ちを重ねていくしかねぇだろう」
「僕たちって、見守っていくしかないのかな?」
「そうだな、一度くらいは応援に行きてぇけど」
「え? 応援?」
「今年こそ、横浜 優勝できるといいな」
「って、そっちー?」
「おい、なんだか腹減ってこねぇか?」
「え? 映画を観る前に、お昼ご飯 食べたよね?」
「食ったけどさ。 おっ!ちょうどいいところに、アイス屋があった! あそこで食っていこうぜ!」
「え? また?」
「またって何だよ、またって! 食いたくねぇのかよ!」
「食べたいけど」
「なら、食っていこうぜ!」
「うん、食べていこう~!」
「あ! うめえ! さすがは専門店のアイスだな!」
「あ、ほんと、おいしいね!」
「・・・」
「食べてるときは、静かだね」
「・・・」
「・・・」
「この前、商店街を歩いてたら声かけられてよ。 誰かと思ったら、お前の母ちゃんだった」
「え? うちの母さん?」
「小学校の頃、お前んちに遊びに行った時ぶりなのに、よく顔 覚えてたと思って」
「それはそうだよ。 この辺じゃ、バラキ君 有名(な不良)だもの」
「え、そうか? そんなに有名か? へへ」
「うちの母さん、バラキ君に会ったなんて、一言も言ってなかったよ」
「なんだか、お前のこと心配してたぞ」
「え? 僕のこと?」
「学校から帰ってきても勉強してるし、休みの日もほとんど出かけずに勉強してるから」
「たまには、ゲームもしてるけど」
「勉強しすぎで、バカになっちゃうんじゃないか って」
「え! そんなこと言ってたの?」
「あ、バカになっちゃう ってのは俺が言ったんだけど」
「な、なんだ、ははは」
「勉強も大事だけど、たまには息抜きも必要じゃないかって。 だから、休みの日に連れ出すように頼まれた」
「そ、そんなこと頼んでたの? ごめんね、忙しいのに」
「でもよう、息抜きなんて言ったって、風俗しか思い浮かばねぇから」
「えぇ! ば、バラキ君は、い、行ったことあるの?」
「ねぇよ!」
「そ、そうだよね」
「それに、さすがに風俗は お前には刺激が強すぎるから、」
「バラキ君にもね」
「だから、バッティングセンターは どうかと思って」
「あ、急に 健全になったね」
「だろ? でも、お前、野球は得意じゃなかったから、」
「うん、どっちかって言うと テニスだったからね」
「だから、真ん中をとって、映画にしたわけよ!」
「あ、それで、今日に至るわけだね!」
「でも、なんで俺なんだ?」
「え?」
「なんで俺みたいやつに頼んだんだ? こんな不良に?」
「それは、見た目は不良だけど…。 幼なじみだし、気心がしれてるから」
「それは、過信しすぎってもんだぜ! 奥さん!」
「それと…。 断らないと思ったんじゃないかな?」
「そらそうだぜ、お前の母ちゃんの頼みを そんな無下に断れない…」
「そ、そうじゃなくて、僕が断らないと思ったんじゃないかな?」
「え? お前が?」
「他の人から どこか行こう って誘われたら、今忙しいから って断ったかもしれないけど、バラキ君のお誘いは 断らない と言うか、断れない と言うか…」
「え? そうなのか?」
「うん」
「じゃあ、今度、風俗に行こうぜ!」
「行かないし!」
※この話はフィクションです。
なるほど、にわかせんべいのCMの出だしに 似ていますねw
断りば言いに行って、仲直りして、にわかせんべいを一緒に食べるのかな~
ほのぼのしてていいですね ^^
立派になって帰ってきた セイジくんを軽トラの荷台に乗せて凱旋パレードする バラキ君w
バラキ君は得意かもしれないけど、セイジ君としては 少し恥ずかしいかなぁと。。 ^^;
今回は、平和的な内容にしてみました♪
現実世界のバラキ君は、多少 暴力的ではありますが ^^;
政治の話をしているのかと思ったら、野球の話だったり (*^_^*)
やっと思い出せたので、お知らせをw
「こら、ぜんじ!また喧嘩して来たっちゃろ!はよ断りば言って来んしゃい」
というフレーズで始まる、半世紀近くずっと同じCMを流してる福岡のみ有名なCMでした
↑の断りばっていうのは、謝って来なさいという意味ですw
商品名が思い出せないまま
今日一日気になりそうですw
七夕自分は何願おうかな
「軽トラをオープンカーと言ってみたい!」
バラキ君とせいじくんのやり取りが面白いです(*^_^*)
今の政治をやや風刺してるようなところもあって♪