一時期突然まとまった小銭が手に入った。
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- 2015/06/12 11:15:22
10年近い前で有る。
母の母の土地が母が数百分の幾ら(一桁)を相続して
およそ其の少なさから税金の対象にも成らず、
更にバブルがはじけて居て、
その上に借地人が住んでいると言う複雑さから
ほったらかしにしていた土地が思わぬ事情で売れたのである。
バブルの時代なら借地人が上に居ても
ヤクザと繋がりのある不動産が其の借地人がいると言う条件の
足元に付け込んだ値段を言って購入して来ただろう。
要するに相場の半額以下の値段をやくざと関係のある不動産が
足元を見て提示してくるのである。
長引いても面倒な人は其の提示した値段でやくざと関係のある不動産に
相場の半額以下で売る。
不動産はやくざに手間賃を払って借地人を追い出して貰うと言う構図が
普通である。
そんな事は普通に社会ではあって、立ち退かないと天井にピストルの穴が
開けられた店も知って居るし、放火される事もバブルの時代は
揉めている所が夜中に家事になった所も近隣にある。
バブルの時代ではススキノでは放火で死人も出ていると言う噂を聞いて
聞かないふりを周りではしている事も多々あった。
バブルがはじけるとやくざも損な体を張った危ない仕事をしなくなったのか
不動産もやくざと関係してまで購入しても売れないで其の土地を持つ事を
避けた為に売買の動き全体が無くなった。
元々母の母の遺言で其の財産は昔の人なので嫁に行く時に
其々財産放棄の手続きをしていた。
そして母の一番下の妹(叔母)が夫婦で祖母と一緒に住んでいて
彼女に財産を譲っていたのだ。
所が数年たって妹の夫に転勤の辞令が来た。
昔の人達の考えで仕事で転勤の事まで考えないで
嫁に出た人達は財産放棄の手続きをしてしまっていた。
北海道から東京への転勤である。
栄転以外の何物でもない。
断われるわけが無い。
断わる事は会社を辞める意味を持っていた。
結局母の母(母方の祖母)は一人で其の大きな家に住んだ。
やがて体が弱くなって財産放棄をして居た母の姉が
夫が無くなって一人で住んでいたので直ぐ近くに家を
買って面倒を見ていた。
最後は泊まり込んで付きっ切りで面倒を見た。
さて、遺産相続になって面倒を見た母の姉も母も財産放棄を
していた事を知らされた。
すっかり忘れていたのである。
遺言も在る。
で、何だかんだで何百分の何ぼと言うのが母に来た遺産である。
借地人が法外な立ち退き料を請求して来たが
買い手も無いのでほとんどを相続した母の妹の夫の意見で
買い手がつくまで其のままにして置く事に。
どんな値段がついても母に来るのは何百分の何なので
母も母に姉の叔母もどうでも良い事だった。
所が飛んでもない事が解った。
其の土地の殆どを相続した母の妹夫婦の夫が体を
悪くして其の土地を二束三文で良いので
買うと言う不動産を捜して始末をつけると言うのである。
其の不動産はやくざと繋がっている不動産である。
お金の問題じゃない。
母や叔母達に取って数万円の違いである。
問題は其の借地人が殺されかねないと言う事である。
私は勿論叔母達も放火もピストルの天井の穴も近所で起きているし
ススキノの事も知って居た。
私は胸が潰れそうになりながらたまたま家賃を取りに行った時に
何かあったら事前に知って居た事になるし、
何も聞かない事にしているけど何か起きた事を考えると
家賃を貰う時に手が震えた。
こんな状態になる事を事前に知らせたかったけど
知って居た事も解るので何も言えない。
涙がこぼれそうになるのを必死に抑えた。
どうして良いか解らない。
考えに考えた末に母も叔母達もそう言う不動産には売らないと判を押さなかった。
叔父も体調が良くなってまた数年ほって置く事になった。
所が母が死んだ。母の権利が私達姉妹にきた。
更に土地が売れても貰える金額が其の半分になった。
もうどうでも良い金額である。
それでも母の姉の叔母が人として何が起きるかを解っていて
判を押す訳に行かないと頑張っていた。
其の叔母も亡くなった。
母の妹の夫の叔父も体力が弱り、もうほとんど二束三文で不動産に売って
唯処分が出来れば良いと言う考えだった。
叔母の子供達(いとこ)も私達姉妹も権利など無いに等しい金額だ。
叔父の自分が死ぬ前に処分して行きたいと言う気持ちも解る。
後は不動産に売って何が起ころうとこっちは何も関係が無い。
不動産と借地人との間で起きた事だ。
確かに厳密に法的には判を押さない権利はある。
更に何が起きても叔父たちは東京にいる。
同じ札幌で身近に事件が起きるのと違いは大きい。
でももう私達にはほとんどの権利を持っている叔父家族の
気持ちも解る。
叔父に従うと言う結論をとうとう従兄弟と私達姉妹は出した。
何か起きるかも知れないと言う苦しさを私は黙って居れないで
ふと吐露してしまった。
間にとある所が入って借地人を説得して、
叔父も処分できれば良いので納得して
話が付いた。
留袖でもなく、訪問着でも無く、附下でも無く、
小紋なら買える程度のお金が来た。
嫁に来た時に母が用意してくれた着物は既に中年になって
太ってどれも着れなくなっていて、何とかしなきゃと思っていた。
それでも小紋程度のお金しかない。
こう言う時にしか買えないとよと言う物を姉妹は相談して
妹はバックだったかな?
私は小紋の着物を買った。
其れから数年、更に二回りほど太った。
其の小紋も前がはだけて着れなくなった。
でも、死人が出なくて本当に良かったと思う。