友達以上 他人未満(前)
- カテゴリ:友人
- 2015/03/29 00:42:09
はじめて彼女と出会ったのは、もう3年半も前の夏だった。
それよりも随分前に私が営んでいた調査業の古い広告を、電話帳から探して電話をかけてくれた。
「ウチ、盗聴されているみたいなんで、調べて欲しいんですけど・・・」
その頃はもう私自身が、その道での可能性を見出せなくなっていたので、相場の半額以下の調査料金で仕事を請け負った。
その日のうちに彼女の部屋へ出掛けた。
彼女が言うには、複数の人に監視されているという。
「街中で自分の噂をされている」
「近所のコンビニの前でいつも知らない人が自分の帰りを待っている」
「自分が部屋でしている事を知られている」
挙句の果てに
「自分の好きな曲が同じ時間にラジオでかかる」
「知らない人に励まされる」
完全に被害妄想の人だ、と私は考えた。
こういった場合、間違っても否定をしてはならない。
傾聴、受容、共感・・・
私は全てを肯定し、話を聞いてあげた。
調査結果は完全なシロだった。
市販の盗聴器どころか、プロが使用する特別な周波数の電波すら発信されていなかった。
彼女には離婚歴があり、19になる息子さんもいた。
私よりも随分年下かと思われたが、実はひとつ年上だった。
そしてとても美しい人だった。
「この部屋での盗聴の心配はありません。盗聴器として使用できる全ての周波数を調べましたから。」
「どうもありがとうございます。招き猫さんにお願いして良かった。何かあったらまた相談させてください。」
そう言って彼女は私を見送った。
いやいや、新作の「地上の波」シリーズなどではござらん。
これは私自身に降りかかった、言わば悩みの種なのでして・・・
そだなぁ・・・「地上の波」新シリーズだったのなら、気が楽なんだけどなぁ。
決してハッピーになる事はないなぁ。
ハッピーにならん事が、ハッピーなのだよ。
そういう現実もあつてこった。
わかるかな?
ま、続き書くんで読んでね。
続きはですねぇ、実は完結しないまま現在に至っております。
とりあえず、続きは書きますけど^^;
お得意の探偵物^^ 続きが楽しみです!!
現在進行形の回想・・・?
早くも後半が気になるぞぃ!
(Happy End だといいんだけどなーーーー\(^o^)/)
いえ、新作ではありませぬ。
言うなら、現在進行形の回想文って感じでしょうか?
後半へ続く・・・であります。
回想文?