往年の 四角い空を 懐かしむ
- カテゴリ:日記
- 2015/03/28 07:39:57
電線は美観を損ねる邪魔者だから地面に追いやる。
鳥がとまってフン害やウルサイ鳴き声の原因にもなる。
欧州の都市計画を見習え。電線追放!
……などというのが世の趨勢ではございますが、
もちろんアナクロで反体制の臍曲がり爺は断固として異を唱えるわけです。
電線や架線で区切られた四角い空の風情は、昭和と切り離せないのだから。
とくに懐かしきものは、市電やトロリーバスが街を走り回った時代。
交差点の真上にも複雑怪奇に張られた電線が空を矩形に区切る。
窓からその空を見上げる。高度成長期は少々灰色で煙ってた。それが街の空。
高いビルの窓から通りを見下ろすと、怠け者の蜘蛛が仕事したみたいに、
よくもまあそんなに、と言いたくなるくらいの電線が視界の彼方まで伸びている。
電気、電話、架線、動力線。電気はどこまで行くのかな。日本の果てまで行くのかな。
美しい自然のある暮らしは好きです。動物や草花、山や海、川も好き。
だけど都会の中で薄汚れながら頑張ってる『自然』だって捨てたもんじゃない。
埃と排気ガスでグレーの空、ゴミの浮いたドブみたいな川、お世辞みたいな植え込み。
底辺・下層意識の強い私だから、こんなツマラヌ事物に思い入れを感じるのだろう。
街が整理され美化され心正しき人々に溢れ笑顔と幸福に満ち溢れ……
そして私は居場所を失うのかもしれぬ。まあ、余命いくばくもないし、よかろう。
智恵子は東京には空がないといったらしい。
いやいや、都会にだって都会なりの空があるのだ。希望無き灰色の空が。
その先に隠された、もしかしたら透き通った青を夢見て、俺たちは生きてきたのだ。
ポップスの『空』って単語も近年は透き通ったイメージのものばかりですねー。
私の好きな空のイメージは、70年代の日本のロックとも通ずる。
四人囃子の『空と雲』とか、マキOZの『空へ』とか、濁った琥珀みたいな感じ。
けさも電線にムクドリ、ヒヨドリ、カラス、スズメ、時々トンビ。
みんな人類の愚かな作成物を上手に生かして懸命に暮らしてる。
どんどん鳴け。騒げ。フン害上等。この星はキミたちのものでもあるのだからね。
空、という単語のイメージって人さまざまですよね。私の場合、心象風景の反映でもなく、憧憬でもないようです。
おそらくそれは、ふだん意識していない時空連鎖の断片、とでもいうものです。
生きているのではなく、どこか、何かを通り過ぎていくだけの存在である自己を意識する、といいますか……。
南こうせつさんの「愛する人よ」
この曲 耳でしか聴いたことなくて 歌詞を勘違いして覚えてました。
♪グレーの凍った 陽だまりみたいさ~
毒が空をめぐってる~ みたいな・・・(^^ゞ
青空でも 夕焼けでも ないんです
だって 雪が降る前の空は鉛色ではないですか・・・
あながち 間違いではないと 思うんですけど・・・(^^ゞ