ある日のお遍路行 その2
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2015/02/26 21:33:20
12時45分 ⑫番札所・焼山寺に到着
山門の前で白衣・輪袈裟と菅笠をつけ、頭陀袋を下げる。
身支度を調えて、一礼してから山門に入る。
真言宗の信者でもなければ、
御仏への信心もない私だけど、
礼拝の所作はきちんと守るようにしてる。
山門の中に歩み入れば、杉木立が立派。
なるほど~、厳かな感じがする山寺だ。
手水場で、手と口をすすぎ、
次に、鐘楼で鐘を突く。ゴ~ン~
まず、本堂にお参り。
最初にろうそくでお灯明。
次にお線香三本をあげる。
お賽銭を賽銭箱に入れ… ごめんね、10円だけで。 ☆\(ーーメ)
納札(おさめふだ)という
自分の名前と住所、お参りした日、願い事を書いた紙を
賽銭箱の隣にある納札箱に入れる。
ちなみに私の願い事は日替わりで、 ☆\(ーーメ)
病気平癒
父母供養
良縁祈願 ☆\(ーーメ)
商売繁盛 ☆\(ーーメ)
学業成就
衆生救済
欲の深い奴ですみません。
本堂備え付けの鐘を打ち、
ここの御本尊は虚空蔵菩薩さまだから、えーと…
なうぼう あきやしや きゃらばや おん ありきや まりぼり そわか
これは虚空蔵菩薩さまの真言、
つまり仏の名前のサンスクリット語を、
そのまま音読みしたものらしい。
だから、呪文のような響きになってしまうのだ。
そして、他の参拝者の邪魔にならないように、本堂の脇に移動して、
そこでお経を読む。
普段、お経を読む習慣は私にはないから、
読み方は完全に自己流。
節など付けず、ゆっくりと読むだけ。
でも、ちゃんと声に出して読む。
ぼそぼそと読むぐらいだったら、初めから読まない。
読む順序としては、お遍路の解説本に従って、
1.「うやうやしく御仏を礼拝たてまつる~」 チリ~ン(鈴)
ちなみに私の鈴は、登山の時に使う熊除け用の鈴 ☆\(ーーメ)
2.開経偈(かいぎょうげ) チリ~ン
これはお経をはじめる時に読む七言絶句。
3.般若波羅密多心経(はんにゃーはーらーみーたーしんぎょう) チリ~ン
「色即是空、空即是色」の名句で有名ですね。
4.御本尊の真言を三回唱える。 チリ~ン
さっきの「なうぼう…」
5.光明真言を三回。 チリ~ン
光明真言もサンスクリット語の音読みなので、
意味は私にはわからない。
6.「南無大師遍照金剛」(なむだいしへんじょうこんごう)
お大師様の宝号を三回。チリ~ン
7.回向文(えこうもん)
これはお経の最後に唱える誓いの一文みたいなもの。
チリ~ン、チリ~ンと鈴を二回鳴らしておしまい。
こう書くと長そうに思うけど、全部で10分もかからない。
次に大師堂に移動。
四国八十八箇所には、本堂と共に必ず弘法大師を祀る大師堂がある。
ここでも同じ所作を繰り返し、
お経は4の御本尊の真言だけを省いて唱える。
信心もない癖にこのような所作を私が丁寧に行うのは、
お寺では、お寺にもっとも相応しい時間の過ごし方をしたいと思うから。
その後、お遍路のガイドブックを開き、各お寺の名所や見所を確認。
一つ一つ確認し、本堂・大師堂・山門などと共に写真に納める。
ちなみにここは昔、山を焼き尽くす幻影を見せる大蛇が住んでいて、
弘法大師がその大蛇を法力で岩に封じ込めたのだそう。
だから、焼山寺というお寺の名前なのだ。
最後に納経所に行って納経帳を差し出し、墨書受印。
どのお寺も300円共通。
墨守受印と同時に御本尊の姿を描いた御影という御札をいただく。
昨年から今年の5月にかけては、
開創1200年を記念して赤い神に梵字を書いた御影もいただける。
まあ、納経帳は、今で言うスタンプラリー。
御影の御札は、ポケモンカード集めみたいなものです。 ☆\(ーーメ) 罰当たりな奴
これで一通り、お寺での私の所作はおしまい。
だいたい40分弱。
冬の今の時期だから参拝者が少なくて、
静かなお寺の時間を楽しめました。
観光バスで移動する信者の団体さんと一緒になると、
なかなかこんなわけにはいきません。
(駐車場があることからもわかるように、
ここは遍路道を歩かなくても、バスで参拝することもできるのです。)
山の上にあるせいか、
このお寺は霧が立ちこめることもあるそう。
神社も併設されているので、修験道の雰囲気が漂う。
厳かで清々しい感じですが、
標高が高いためか寒い。 ☆\(ーーメ) 冬だから当たり前
ゆっくりしたいお寺ではゆっくりするのだけど、
ここは山の上だから、麓の宿泊先まで降りていかなくてはいけない。
焼山寺には宿坊もあるのだけど、冬の今の季節は閉まっているし。
再び白衣などを仕舞い、菅笠をザックに結わえ付けて、
下山の用意をして、
13時50分 焼山寺を出発。
今日の宿として予約してある善根宿に向かう。
(まだ続く)