Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


漂う煙


煙草をくゆらせて
向かい合わせに座ったカフェ
本当は好きじゃなかったけど
煙の向こうの笑顔が
なによりも好きだった


甘い香りのする煙草
あなたのお気に入りのその銘柄を
いつもバッグに忍ばせていた
持っているそれがきれた時
あなたにそっと渡したかったから


そんなことさえもう過去で
バッグの煙草も取りだしたままで
でも捨てられなくて
引き出しの奥にしまっている
開ければ香りが染みついている


寒い日だった
別れの日が来たのは
もう忘れなきゃいけないのに
この1年は何だったのだろう
まだ後ろを向いたままで


しがみついていたいけれど
時は待ってはくれない
歯車を回し続けて
落ちて行く砂時計
その行方も告げずに


下にたまった砂をかき分けるように
面影を探してみる
そこには何も残っていない
なぜなの どこに行ったの
追い求める私がいる


きれいごとでは隠せない
付きつけられた現実の世界
辛いとか悲しいとかじゃなくて
空虚な心が叫んでいる
帰らない日々を抱えたままで


さよならの言葉が宙に浮いて
体を包み込んで行く
それはまるで煙草の煙のように
漂いながら
去ったあなたを求める気持ち


もう忘れよう
砂時計が言っている
そっと煙草に火をつけてみる
吸えないそれを私は
いつになったら捨てられるだろうか

アバター
2015/02/14 07:58
夜那さんへ
コメント、ありがとうございます。

「好きじゃなかった」のは、煙草の煙。
彼の事じゃなく。
漂う煙と共に消えて行った彼。
捕まえておきたかったのにね…。
アバター
2015/02/14 01:15
はじめまして。広場から来ました。
「本当は好きじゃなかったけど」が気になって。
切ない詩ですね。

私は煙草は苦手です。
煙草の味の残るキスは、苦い思い出…。
アバター
2015/02/05 07:34
フロマージューさんへ
コメント、ありがとうございます。

そんな思い出があったのですね。
想いが伝わらないって、辛い過去になりそうですね。いい思い出として、持っていられたらいいのですが…。
若いころも大人になっても、悲しい思い出ってあるものですね。
アバター
2015/02/04 22:50
今晩は・・

なんか・・煙草が切れた時に、そーと渡す為に持参しているなんて・・・
なかなか出来る物ではないです。

ホント・・俺も過去のそういつた女性の気持ちがわからなかつた自分を考えると、胸が痛みます。
お俺の場合は、ふとベツトの横にノートが置いてあり・・
1ページだけ読んだのですが・・俺との愛が書かれてありました。




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