粋(すい)と粋(いき)
- カテゴリ:日記
- 2015/01/16 19:20:05
漢字で書くと同じ漢字になってしまうので、どう読みかは読む人しだい。
実は、ある本でこの記載を見つけた。
「すい」は呼吸における吸い込み、「いき」は呼吸における吐出しとか・・・
江戸時代に、江戸では粋(いき)上方では粋(すい)の文化が栄えた。
江戸の「いき」不要なものはため込まず、きれいさっぱりスッキリそぎ落とす引き算の美。
上方の「すい」は何でも取り入れ蓄積していく足し算の美。
細田安兵衛氏の話が興味深い。
「粋(すい)」は「行動の原理」に因るもので博識で世情や物事の道理に精通し文化や花柳界に詳しい人のことを指し、
「粋(いき)」は行動よりも心理面に因るもので、一種の「生きざま」を示しているとか。
粋(いき)とは、「ハリ」と「ビタイ」と「アカヌケ」の三文字に集約されるようだ。
「ハリ」とは、妥協しない心、或いは義侠心。
「ビタイ」とは、媚ではない洗練された色気と美しさ。
「アカヌケ」とは、執着心が無くサッパリとしていること。
粋(いき)な江戸っ子の男女(夫婦ではない)には、肉体関係は無く精神的な好意のみが存在した。
相手の事をお互いに深く認め突き放さず突き詰めずに距離を接近させる関係、これが粋(いき)な関係なのだそうだ。
だから、江戸っ子には心中事件が起こらなかったそうである。
一方、歌舞伎、浄瑠璃の心中物はみな上方の話だ。恋愛において突き詰めた末に結晶される様式が心中。
粋(すい)と粋(いき)両方の素晴らしさがある日本という国はなかなか奥が深い・・・
細田安兵衛氏に興味をもたれた方は、こちらへ。
http://www.tokyochuo.net/nihonbashi-bijin/jbet/iki_01.html