「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」
- カテゴリ:日記
- 2015/01/05 11:13:56
12月25日(木)0:45~NHK・BSプレミアムシネマ
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」
(2011年 ドイツ・フランス・イギリス)が放送されました。
亡くなった?ピナ・バウシュさんの舞踊団による、
ピナ・バウシュ氏に、思いを寄せて創作された、舞踊?
モダンバレエ?それとも、アート?とも思える映像になっています
が、独自の世界観を持った、表現と精神性を感じさせてくれる
踊りでした。
日常の色々な出来事から湧き上がる思いを、それぞれの
ダンサーの解釈で現していますが、
ある意味で、自然にありのままの表現で・・・・・
ある時は、体験した出来事をそのまま映して、疑問を観客に
投げかけるように・・・・・
26分位から放送された、部屋の中にいる男女が、連れの男に
何度も無理に抱きつけられている踊りは、今の現実?
と感じたのは、私だけ・・・・?
そのうち、連れの男は消えても、残された男女は誰に強制
される事がなくても、抱き付き合う動きを肉体記憶してしまい、
止める事ができなくなる・・・・・
そして、51分からスタートした、女性ダンサーの踊り
椅子を持ってトゥシューズに履き替え、
工場地帯を踊り場の、バックに椿姫の序章を踊る・・・・
椅子の上に脚を乗せて・・・・・
「これは、子牛肉よ」
と言ってトゥシューズの脚の甲に生の子牛肉を挟んで、
踊るダンサー・・・・・・
椿姫は、好きで何度も観た演目ですが、独特の情感で
踊り、こういう椿姫もあり・・・・
とうなずかせてもらえたシーンでしたが、
しかし、何故、トゥシューズに生の子牛肉なのでしょうか?
人には、選ぶと選べないと関係なく、これしか出来ない・・・
この生き方しか許されない・・・・・
という家庭も多いのではないでしょうか?
親が変わってやりたくても、役割を子供にしか出せない
家庭もあるのは事実です・・・・
バレエに関わりあいたくなくても、無理に付きあわせられて
いる子供・・・
そして、なんの希望も無い毎日に刹那に生きる事しか、
あたえられていない人々・・・・・
その中で、踊る事を、今この時を盛りに咲かしてくれ!
と言わんばかりに踊る事を選ぶ人々・・・・
そのせつなさや、はかなさを映し出す椿姫・・・・・
踊り始めたら、それは麻薬と同じで止める事が出来ない
密の時間・・・・・
しかし、犠牲にされている子牛肉は、たまったもんじゃないです。
踊りのエネルギーは魅せられるもので、あっても、
トゥ・シューズに子牛の肉を挟んで踊る。というのは、
私個人としては、憤りを感じずにはいられませんでした。
怒っても踊り。
楽しくても踊り。
悲しくても踊り。
辛くても踊り。
これが、生きてる限り踊りなんだ!
と感じさせてくれる、感動の映画の一本です。