鶏飯! 鶏飯!
- カテゴリ:グルメ
- 2009/09/03 00:20:14
書籍カテゴリとどっちかなぁ、と思ったけど一応こっちで。
ファンタジィ読みの人々が、食べてみたいと挙げる物語の作中の食べものがある。
ダントツで一番は『指輪物語』のレンバスだろう。
同じく『指輪』のサムが作るウサギの香草シチューがそれに続く。
いやもう、現実に存在しないからなおさら食べてみたいわけで。
最近、それに迫る「食べてみたいメニュー」が、和製ファンタジィを読む人から挙げられるようになった。
上橋菜穂子の〈守り人〉シリーズに出てくる、タンダの作る山菜鍋と、ノギ屋の弁当だ。
そも〈守り人〉シリーズは活劇が多い和製ファンタジィだけど、著者が民族学者でもあるせいか、世界観や人々の生活の様に現実的な手触りがある。
(戦の際の兵士の数等、マズイでしょ、という点もあるのだけれど)
そこで書かれる食事のシーン、食べ物の書き様が、実においしそうなのだ。
夜中なんぞに読んでいると、お腹減ったなぁと意識してしまって、困る。
(アニメ化された〈守り人〉の公式HPには、「今週ノ飯」コーナーがあったりするw)
その〈守り人〉シリーズをはじめとする上橋菜穂子作品に登場する食べ物の(現代本の材料・料理法でつくったら、という)レシピ再現本が新潮文庫で刊行された。
『バルサの食卓』なる題名で、〈守り人〉読者は「タンダの食卓の方がいいのじゃないか」なんて言い合ったりしていた。
(ヒロインのバルサは女ながらに用心棒を生業にする槍使いで、料理はするだろうけど大雑把そう、対して幼なじみの薬草師タンダの作る料理が実においしそうで、「主夫」のようだと冗談で言われている)
レシピといっても「きっとこんな感じ」と作ってみた再現本だし、どうしようかと迷ったものの、結局購入してしまった。
ひとつにはレシピ再現チームに元南極越冬隊の料理人だった人がいたので。
遠洋航海などの過酷な条件下では、食事は数少ない楽しみなので、そういう場所の料理人が作る物はハンパなくおいしいと聞く。
南極越冬隊の料理人なんて、赤丸保証付きな筈だ。
そしてもうひとつ、原作者が物語の中の食べ物について書いた文に共感した、というのもある。
『ツバメ号とアマゾン号』や〈ナルニア〉に登場する食べ物にわくわくした旨書かれていたのだ。
うん、そう、両方とも忘れがたく大好きな場面だ。
そも児童書には、食事シーン・食べるシーンが、読んでいて楽しい、おいしそうなものが多い。
生きることの根っこ、単純にしてそれだけに強い根源的な喜びだから、提示する幸せ・楽しさとして力を入れて書かれているのかもしれない。
で、レシピ本を手にすれば、やはり作ってみたくなる。
これこそ食べたい! というもののなかで比較的作りやすそうな「ノギ屋の弁当風鶏飯」を作ってみた。
ジリジリ鶏を焼いて、タレをからめて、ご飯にのせる。
いや、予想はしていたんだけど。
普通においしい、鶏照り焼きのせご飯でした。
作るまでもなく、レシピ見た時点で想像はついていたのだけど、あまりに当たり前でちょっと拍子抜け。
新ヨゴの料理なら、鶏は地飼いでもっと身が締まって(で、固くってw)脂が少なく、タレも野趣あふれているんだろうな~なんて思いつつかき込んだ。
ちなみに、その日の夕食メニュー
ノギ屋の弁当風鶏飯
茄子と薄揚げの煮浸し
カボチャと挽肉の煮付け
モロヘイヤスープ
……なんか取り合わせに脈絡がないw
じき、秋が深くなって鍋シーズンが来たら、タンダの山菜鍋も作ってみるつもり。
だけど、読んだときのイメージで、登場するキノコ「カンクイ」のイメージが何故かヤマブシタケになってしまっている。
(チャグムが「それは、なんじゃ?」と聞いたかららしい。いくら世間知らずでも、普通のキノコならさすがにわかるだろう、と少ない知識のなかから妙な形の物を思い浮かべたらしい)
なかなか見ない、売ってないんだよね、ヤマブシタケ。
ここは、こだわってみるべきか? う~ん……
ヤマブシタケ、秋のシーズンにごくたまに並んでるのしか見たことないんですよね。
おいしいけどキノコの常であまり保たないし。
こだわったら、週末に仲間語らって鍋ってワケにはいかないのに困ってみたり。
山鳥さん
新潮文庫で、奥付は8月1日刊になってます。
しかし、上橋さんの行きつけはバーミアン? 行ってみるべきか……
二足のわらじで忙しくて外食が多いのでしょうか?
MYSTYさん
蜂蜜酒については、しばらく前に同じカテゴリでちょっとネタにしました。
醸し方の問題ではなく、市販品でも甘くてくどくて、日本人好みではない(婉曲表現)かと。
酒造はの禁止は酒税法上の問題ですよね。
最近は個人で楽しむ少量なら可ということで、個人用で瓶でのワインを醸すセットなども出ているようです。
大樽で売れるほど作ったのでなければ、大丈夫じゃないかと。
かなり糖分が残ってしまったたようで、甘々なものになってしまったのですが。
小説に出てくる食べ物ってホント魅力的ですよね。
あ、個人による酒造は違法ですね、そういえばw
読んでみたい!
前に作者が講演会で語っていた話によると
彼女もバルサ並に料理はしない模様・・・
バーミアンが、定番のお食事処のようで
メニューには、守り人シリーズの料理の発想元がありそうな??
確かになかなかみない食材だと入手方法を見つけるのが厄介だったりしますけど・・・。