クリスチャン・フェネス氏
- カテゴリ:音楽
- 2014/09/29 20:30:24
先日、クリスチャン・フェネス氏の『ベーチュ』を入手しました。
今世紀になってから聴いたディスクの中でも最高のものでした。
ハウス、あるいはクラブ、テクノのジャンルに属します。
ベーチュ、とはウイーンのことです。ただし、ハンガリー語でのウイーンです。
いま、ベンヤミンとアドルノの往復書簡集を読んでいます。野村修氏の訳によります。
第5書簡にベンヤミンによるアドルノの言葉の引用があります。
「哲学の課題は、現実性の隠された志向や現前している志向を探求することではなくて、志向をもたぬ現実性を解明することである。」
フェネス氏の音の価値は、このようなアドルノ流の哲学の営みの保つ性質に似通っています。
無類のものです。