アジアンタム
- カテゴリ：小説/詩
- 2014/08/14 12:58:22
二人で買ったアジアンタムを
枯らしてしまった
「水が好きだから、あげてくださいね」
そう店員さんに言われたのに
すっかり忘れてしまって
心があなたばかりにいっていて
あなたを追いかけることばかり考えていて
部屋のことなんて忘れていて
自分が一番悲しいと思い込んで
でもあなたも悲しかったのに
あなたの心の中なんて
思いもしなかった私
いつもわがままを言うばかりで
あなたを悲しませてしまった私
そんな自分に気がつかなかった
一番大切な人だったのに
一番愛されていた私だったのに
心のすれ違いには振りかえらないで
目を閉ざしていた私たちは
偽りだったのかもしれない
もう少し言葉を知っていたなら
こんな日は来なかったのかもしれない
でも「もう」なんて言葉はなかったんだ
今更過去を追いかけてみても
あなたがいるわけじゃない
愛していたのに
愛されていることを知らなかったのか
愛している事さえも
うつろだったのか
取り返しのつかない過ちだったのか
枯らしてしまったアジアンタムを
美しいそれに買い替えても
あなたは戻って来ない
余計に悲しいだけ
だって枯らしたのはアジアンタムだけじゃないから
愛していた
愛されていた
それでも別れて行った
運命と言う歴史があるなら
いまでも書き変えたい
二人は今では一人ぽっち
悲しい想いを背負いながら
幾度も後ろを振り向きながら
歩いてきた道を確かめながら
でも あなたは悲しみの穴に落ちて欲しくない
だって枯れちゃったんだもん、仕方ないじゃいじゃーんｗ
ヒイロも育ててみ～ｗ