ドラマ【死神くん】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/06/07 17:40:16
【感想】なんともはや一直線であまり厚みのない話でした。まぁわからないでもないんですよ。ハイティーンから20代前半にかけては、自分のことだけで精一杯で、あまりまわりが目に入らないものですからね。だから、大人から見るとバカみたいな理由で、命を絶とうとしたり、誰かを死ぬほど恨んでみたりする。個人差はあれど、誰でも一度は通る恥ずかしい道なので、これはこれで仕方ないと思いますが、1つのエピソードにしてしまうと、不出来な少女漫画を見せられたみたいで、後に何も残りませんな。少女漫画だったらこれでもいいと思うんですよ。対象年齢も同程度の女の子たちですし、テレビドラマとは触れる人の分母からして違う。ただ今時マンガがどこにでも溢れている時代、この内容では人の目に止まらないように思いますね。やはりキャラクターなのかな。今回のゲストの2人は、どちらとも顔も名前も知りませんでした。一応2人とも女優さんらしいんですけどね。だから今ひとつ感情移入ができず、キャラ付けもありきたりなような気がしました。一番うさんくさかったのは、AMIのキャラですね。ゆかりに憧れて歌手になり、自分で曲を作れなくなってファンをAMIに奪われたゆかりを慕い、ゆかりに厭味を言われても嫌な顔ひとつせず、ゆかりをいつまでも慕い続ける…。これ、バカでなきゃストーカー気質ですよ。まぁ、自分の余命が少ないことを知っていたからこそかもしれませんが…。それにしても、女ってもっとドロドロしてるもんだよなぁと思います。その点ゆかりはわりとリアリティがあったかなと思いますが、デビュー曲だけ大ヒットして、その後自分でいい曲が書けなくなって、ゴーストに頼るようになったけれど、結局泣かず飛ばず…という設定でしたが、んじゃダメなのはそのゴーストじゃんw ゴーストが優秀だったらその後もヒットを続けてるはずですよね。なんであのゴースト態度でかい上に、どこかのプロデューサーの目に止まったりしたんだろうw 実力ないのに。とはいえドラマでも言ってましたが、この世界は実力があっていい曲が書けても、ヒットするとは限らない、いやヒットする方が稀という、厳しい世界。単なるいい曲ではだめなんですよね。まず皆の耳に触れる機会がないとヒットできません。それには、ゴリゴリ営業するとか、何かとタイアップするなど、楽曲以外での努力が必要。その点、今のドラマと似ているなと思いました。いいドラマ作ってもドラマが乱造されているせいで、タイトルやキャストだけで避けられることが多いんですよね。昔はもっと1つ1つのドラマに存在感があったような気がしました。話を元に戻しますが、悪魔にAMIを殺してくれと頼むくらいAMIを敵視していたゆかりが、残り少ない命のAMIから一緒に歌いたいと自作の歌詞を差し出された途端、一気にデレてしまったのがやはりうさんくさかったです。一度は自分で殺そうとした相手なのに…。その後、死を選んでしまったのもちょっと安直でしたね。不思議だったのは、死神くんは空を飛べるはずなのに、なぜ屋上から飛び降りたゆかりの手を握ったまま、下にゆっくり下りなかったのか。あれが今回最大の疑問でしたw 殺したいほど憎んでいた相手を思いやり、自分の命と引き換えに相手の命を救ったという話を作りたかったと思うのですが、それぞれの心理描写が甘く、中途半端な出来になってしまいましたね。