ぞうさんが好きなのは…
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/05/15 20:39:30
「ぞうさん、ぞうさん、お鼻が長いのね」
仲間の動物がぞうさんの鼻を馬鹿にしてこう言った。
ぞうさんは
「そうよ、かあさんも長いのよ」
と答える。
みんなと違うことを馬鹿にされたのに
かあさんと同じということを誇りに思う。
かあさんだいすきと胸を張る。
人の言葉に惑わされて、自分の大事なものをみうしなうのは悲しい。
それがこの歌に託された作詞者の心。
作詞したのは今年惜しくも104歳で亡くなった
まどみちおさん。
他にも
「一年生になったら」など
彼はたくさんの作詞をしています。
俺が彼を好きなのは
まどさんは戦争中に戦争を賛美する詩を2つだけ作りました。
それを生涯恥じ、悔やんでいる。自分のことを
「私は不完全な、弱い、ごまかしをする人間だ」と
自分の著書に書いていることです。
戦時中には雑誌を創刊して戦争賛美をしながら
終戦と同時にそれをなかったことにして文豪と呼ばれるのを
当然と思っていたとある作家とえらい違いです。
(誰かは知っている人は知っている)
俺は別にサヨクとかじゃないけど
こういう誠実な大人と、卑劣な大人がいることぐらい分かる。
だから大人の全部が嫌いなんじゃない。
尊敬と軽蔑は立て分けているつもりです。
まどさんは児童文学のノーベル賞と言われる
「国際アンデルセン賞」を作家部門では日本人で初めて受賞しました。
余談ですが「ムーミン」のトーベ・ヤンソンさんも受賞してますね。
まどさんの著書は優しさと希望にあふれています。
そして世界中のお母さんが大好きです^^