秘密指令 紅響子 シリーズ プロローグ5
- カテゴリ:自作小説
- 2014/05/10 16:00:20
晴れ渡った日差しを木々の葉がさえぎり、木陰の涼しい風が花々に優しく吹いている。
小鳥たちが噴水の池で、首をかしげてピーチク話をしている。
ここは、極楽鳥の庭園と呼ばれる紅響子の屋敷だ。
広い庭園に入る門には、紅響子探偵事務所と書かれた看板が掛かっている。
外見は古い洋館だが、内部は近代的な設備に改修されている。
「先生。僕はラーメンと餃子とチャーハンの大盛りの出前にしますが、先生は何にしますか?」
「五郎くん。そんなに食べたらぶくぶくチャーシューぶたになるわよ!」
「えへへ。美味しいものはやめられないんで(笑)」
照れたように笑う青年は、盾矢五郎(たてやごろう)。紅響子の探偵助手だ。
「そうね。じゃあ、理花ちゃんにも何か御馳走しようかな。」
「理花ちゃんには、今鯛焼きを買いに行ってもらってます。」
「えっ!そんなに食べるの・・・。」
花園理花(はなぞのりか)は小学5年生。以前紅響子がある事件で助けてから少女探偵同好会である薔薇の会をつくり紅響子の所によくやってくる。
その時、窓ガラスをコンコンと叩く音がした。窓の枠に、鳩が何匹か集まってきている。
「友達を呼びに来たのね。」
紅響子は、ウエストバックを開けると手を中に入れ小さく丸まった2匹の鳩を取り出した。
「ポッポとクックル。友達が呼びに来たわ。しばらく事件があるまで遊んでおいで。」
紅響子は、いつもウエストバックに伝書鳩のつがいを入れている。携帯電話は、電波の届かない場所では使えず、充電も切れてしまう為に伝書鳩を使っているのだ。手品でもよく使われるように、鳩は体を小さくして服の袖やポケットなどに長時間体を小さくして隠れている事が出来るが、庭に居る鳩の中でもこのポッポとクックルはとくに頭が良い。
紅響子が、2匹を放つとしばらく響子の方を見ていたが、安心して仲間の方に飛んで行った。
「紅さま。」
紅響子探偵事務所に置かれているメインコンピューターのディスプレイにレッドローズSLのディスプレイと同じ薔薇の花の画像がが現れた。薔薇の花は、言葉に合わせて揺れている。
「秘密指令G(ゴースト)さまがお呼びです。」
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