ドラマ【科捜研の女】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/03/07 13:57:54
【感想】久々に櫻井氏の脚本。普通の安アパートに偽装された老人ホームの、5人しかいない入居者の間で起きた、単純な事件かと思いきや、なんと次回最終回に続くですよ。櫻井氏はATARUなどわりと派手なミステリードラマも手がけてますが、元々は東映制作のテレ朝ドラマを多く手がけてきた方で、相棒でも評価の高い回を数多く書いています。中でも評価が高いのは、まだ若い独身男性のワーキングプアの現状を描いたライフライン。今回の話は、どうも裏に貧困ビジネスが見え隠れしているので、櫻井氏お得意のバリバリ社会派ですね。最初の山路が殺された事件は、十中八九鱒乃が犯人で、倉林が偽装に手を貸したのではないかと思います。まぁ、じいさんとはいえばあさんに絞め殺すことができるのかなとも思うので、たまたま現場に置いてあった鱒乃の服で倉林が絞殺、鱒乃が偽装に手を貸したということも考えられます。鱒乃の死因はまだちょっとよくわかりませんね。状況的には倉林が突き落としたと考えられなくはないですが、鱒乃が最期に「ごめんなさい」と言っていることから、自殺かなとも思います。ただ、自殺する場合、2階から飛び降りるなどという不確実な手段を使うかなという疑問も残ります。骨折だけで終わることも充分に考えられますからね。気になるのは、最初の事件が起きた時、勝手口が開いていたということ。鱒乃が事件に関係してないということは考えづらいのですが、やはり誰かが出入りしたとしか思えません。今のところ外部の関係者は大家の祐子しかいないわけですが、だからといって祐子が鱒乃の寝巻きを使って山路を絞殺したとも思えないんですよねぇ。この開いていた勝手口の意味は何なのか、気になりますねぇ。また、もう1つ気になるのが、山路にかけられていた生命保険。大した金額ではないし、そのせいで殺人が起きたとは考えづらいのですが、山路が百合根荘の現状に大きな不満を抱いていたこと、他の老人ホームへの移転を考えていたことからして、この生命保険には大きな意味があるような気がします。話のボリューム的に、今回1回だけで終わるかなと思っていたのですが、まだ丸々1回分の話が残っているとしたら、百合根荘にはかなり大きな秘密が隠されているんじゃないでしょうかね。そしてそれは、社会の底辺に蔓延る貧困ビジネスに深く関わっているような気がします。