恋の芽が出る頃に 【 第二十一章 】
- カテゴリ:自作小説
- 2014/02/27 21:46:03
第二十一章 『 月夜の光 』
月夜にポツンとトライアングルのように置かれた三人。
二人は寄り添ってこちらを不思議そうに見つめている。
私は一人でただ立ち竦み、片手に握る資料がガタガタと震える。
変わらない初恋の人に動揺が隠せず、しっかりと前を見れない。…視界がぼやける。
坂谷君は私をただ見つめ、しっとりとした声で呟いた。
「 …久しぶりだな、今野。 」
どういう心境で言ってるのかは知らない。
でもただ昔から何一つ変わらない彼の笑顔だけは分かった。
──…会いたかった。
つい心で零れる感情。共に涙が溢れそうになった。
だがその涙を掬い上げるように美由が言葉を発す。
「 夏芽ちゃんは今何してるの? 」
突然の質問に驚きを隠せない。
最近仕事任されるようになったが、いい風に使われてるのは事実。
それを今、エリートキャリアウーマンに言ったところで笑い者にされるだけだろう。
それに隣には坂谷君がいる…。坂谷君にはボロボロになった私を見られたくない。
「 夏芽ちゃん…? 」
「 あっ、えっと…。
──…言える程の仕事じゃないから。 」
本当の事だし。
すると彼女はクスッと微笑んで言った。
「 仕事はしてるんでしょう? 」
「 まあ…それはね。 」
「 だったら立派じゃないの。 」
まるで人を小ばかにするような言い草だ。
肩を丸くさせ、小さく上げる。そして傾げた首が妙に苛立たせる。
…美由、変わったなぁ。
そんな想いを心にそっと仕舞う。
そんな時だった。美由は坂谷君のほうを見上げ、手を擦りながら言う。
「 ねえ、勇。寒いわ… 」
──…勇?
戸惑いを隠せない私はつい目を見開いてしまう。
だが、そんな私に構いもせず坂谷君は
「 大丈夫だ、早く帰ろう 」
と言って優しく美由を包み込んだかと思えば、自分のマフラーを首に掛けた。
その抱き締め方はあの日あの時抱き締められた感触とどこか似ているように見えて…
私は見ることさえ嫌になった。美由の顔も、坂谷君の顔も、消えてしまえと思った。
だんだんと視界がぼやけると同時に美由の意味深な笑みは私を刺す。
「 じゃあね、夏芽ちゃん。 」
そう告げ、横切って帰る。
その時に吹いた風が私をグサリと刺していく。
身体に冷たい風が染み込んでとても痛い。
「 …ッ… 」
我慢できない…。
心底そう思った瞬間、私は拓斗に電話をしていた。
一瞬でもいい…一秒でもいいから…
今は拓斗の声が聞きたい。いや、聞かなきゃやってられない。
今すぐ抱き締めてほしい。今すぐ会いに来てほしい。
会いたいっ…。
「 ──…只今、電話に出られないため… 」
「 ……。 」
──…馬鹿。
なんでこんな時に限って出ないのよ。
綺麗に映してくれたはずの月は今では私を隠す。
まるで月の光が零れないように…浴びれないようにするかのように。
◆続く◆
aichaさん。どーしましょ・・・。
今、隣のクラスの子の(女の子)twitter見てたんです。
そしたらそこに「○○の家の前なう」って書いてある、写真つきのtwitterがあったんです。
○○は他のクラスの子なんですけど・・・。
でも、その写真彼氏から送られてきたことのある写真と全く一緒なんです。
彼氏からは「外暗いー」って送られてきたときの写真なんですけど・・・。
隣のクラスの子のtwitterの写真と全く一緒なんです・・・。
これ、一緒にいたってことですよね・・・?