Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


ラファエル前派展を見てきました。


月曜日、税務署に確定申告の書類を提出してきました。

 ウヒヒヒ… 税金が戻ってくるぞ  ☆\(ーーメ) ちょっとだけだろうが

その午後、
特段、用事がなかったので、
六本木ヒルズで開かれているラファエル前派展を見てきました。

ラファエル前派というのは、
19世紀イギリスで活動していた画家たちの集団で、
集団として活動していた時期は短いのですが、
でも、ミレイやウィリアム・モリスたちが関わっていました。

やはり、見ておきたかったのは、「オフィーリア」。
これです。 ↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Sir_John_Everett_Millais_003.jpg

その他にも、
「ああ、この絵はミレイだったんだ」
「この絵もラファエル前派の流れに位置する絵だったんだ」
と、なかなか有意義な発見がありました。

ポストカードで
ミレイの
「オフィーリア」
「両親の家のキリスト」↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Sir_John_Everett_Millais_002.jpg

  幼きイエスの表情とこの子を取り囲む人々の立ち居振る舞いが好きです。
  イエスを神として描き、
  周囲の人々をイエスを崇める存在として描くよりも、
  日常の出来事の中、イエスを子どもとして描いた方が、
  愛くるしさゆえの聖性と、
  この子が周囲の人々にとってどのような存在であるのかを
  的確に描けているように思うのですが
  どうでしょう?

そして「マリアナ」↓
http://burnjones.client.jp/millais11.html

ロセッティの
「プロセルピナ」↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Proserpina.jpg
 
などを購入。

ラファエル前派のメンバーたちは、
当時の形式的で権威的なイギリス画壇や
産業革命以降、物質文明をひた走るイギリスの価値観や美意識への反発があったようですが、
そういった美学的・文明批評的挑戦よりも、
細密な場景の中に象徴的な意味が隠されていることの方が
安寿にとっては遙かに魅力的だったりします。

絵の説明で、
夏目漱石の『草枕』に
ミレイの「オフィーリア」が出てくると紹介されていて、

  ああ~、そう言えば…

と思って探してみました。

  そうかあ、長良の乙女の件かあ~

でも、漱石は「オフィーリア」の姿を
「合掌して水の上を流れていく」と書いてますが、
ミレイの絵は合掌していません。

両の手は脇の横へと広げられ、
掌から上だけを水面に出して、
おそらくはその手に握っていた野の花を流れに落としつつ、
花と共に流されていこうとしている様でした。

死を覚悟して身を投げたと言うより、
もう自分が何をしているのかわからぬまま、
死の淵へと流されてゆく我が身に、

  あれれ?

と驚いている感じ。

運命に
抗いもしなければ、
諦念もしていない。

流されているのは、
その身だけではないのでしょう、きっと。




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