~争いの無い世界~*里の地上の星の過去Ⅲ*
- カテゴリ:自作小説
- 2014/02/06 19:58:45
それから三日後、その人が言う学校が始まった。
紙には名前が書いてあり、自分の名前が書いてある教室へ行く。
教室に入ると、私と同じ年代の子が沢山いた。
――わぁ…
私みたいな子がこんなに居るんだ、と思った。
自分の席に座り、辺りを見渡す。
知らない子が沢山…でも、不思議と怖い、とは思わなかった。
ふと後ろの席を見ると、本を読んでる私と似たような髪型をしたような子が座っていた。
白いシャツに赤いネクタイ。長い髪の毛を三つ網にしている子。
本のタイトルに視線を移したが、何が書いてあるのかさっぱり分かんなかった。
難しそうな本読んでる変わった子だな…と思っていた。
――皆の者、自分の席に座るのじゃ
教室から、あの黒いマントを着た人が入ってきた。
その人がそういうと、皆きゃいきゃいと笑いながら座った。
皆が座った事を確認すると、その人はこう言った。
――皆の者、私はこの里の長じゃ。私の事は「大ババ様」と呼ぶといい
黒いマントを着た人…もとい、大ババ様はそう言った。
――さて最初に説明すべきことは、この里の事だ
大ババ様はこの里―――"召喚族の里"について話しだした。
この"召喚族の里"は、魔法と言う力を持つ子を集めて育成する、という里。
召喚族、というのが魔法により自分の思い浮かんだ"召喚獣"というのを呼び起こし、操る者の集まりの事を言うらしい。
そして、その召喚族が集まる里、ということで"召喚族の里"というらしい。
今この教室に居る私達は、その魔法というものを使い、召喚獣を呼び起こし、襲いかかる"魔物"というものを戦い、退治するらしい。
まだ六歳である私でも出来るのだろうか。
そんな不安が押し寄せると、
――皆の実力がつくまで、ずっと座学をするぞ
座学というのは、
・魔法の使い方
・魔物について
・召喚獣について
・今この世界が置かれている状況について
を私達に教える事。それがこの学校の授業。
ある程度話をし終わると、「細かい話はまた今度しよう」と言った。
――さて、今日することは、まず初対面である皆と交流を深めること。魔物と戦う同じ仲間として、交流を深め、共に戦う友を作るのじゃ。早速、自由に話すといいぞ
大ババ様がそう言うと、さっきまで静まりかえっていた子たちはまたきゃいきゃいとしながら他の子に話しかけに行った。
私は今まで自分の村に同い年の子がいなかったため、そういうことは少し苦手だった。
けど、この話が始まる前に見ていた後ろの子と話をしてみようと思って振り向いた。
しかし、その子はまた難しい本を読んでいた。
私は少し「ううん…」と困ってから、話しかけることにした。
――こんにちは!
――…
――初めまして!
――…
こっちが言葉をかけても相手は反応がなかった。
元々そんな喋る子じゃないのかな?と思った。
しかし、このままじゃ交流出来ないな…とも思った。
――…あの?
少し首を傾げて話しかけてみた。
目線があった。
するとその子は少し目を反らせて本を閉じた。
――…初め…まして
その子がそういうと、私はパッと笑って話し続けた。
その子の名前は雪城塑羅。この人が、のちに里の知識人と言われるとても賢いお友達になる方。
塑羅さんは少しギクシャクしていた。
私みたいに、他の子と喋るのが初めてなんだろうか?
だったら初めて同士、沢山喋ろうと思った。
――私、流星星姫!星姫で、いいよ!
――星姫…変わった名前だね
くす、と塑羅さんは笑った。
――あ…笑った
――え…変?
――ううん、全然笑ってくれなかったから…嬉しい!
私は喋ることがとても楽しいと思った。
その子が、初めてのお友達。
それが嬉しくって、楽しくって。
のちに、塑羅さんは、自然と自分から話しかけてくれるようにもなった。
私の学校生活は、まだまだ始まったばっかりだった。
それから三年後。
七歳になった私達。
ある日教室では、新しい子が一人増えると言う話が持ち切りだった。
どんな子だろう…その子とも、友達になりたいなと思う私だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
うぃすうぃす。
今日でとりあえず3つ更新。
星姫が敬語になるのは…いつぐらいだ?
そういう話も練りこんでいくか_(:3」∠)_
今日の更新は此処までにするのだーノシ