Nicotto Town


JEJE 昔の名前ででています。


今週のお題『銀世界』


ダイヤモンドダスト

ちょうど 今から11年前。
某有名プロ野球選手がNY入りした前日に 私は一人 NYへと旅立った。
まるで 後ろ髪をひかれる思いで でも とにかくその時の自分から逃げたくて。

14時間の夜間飛行・・・
星を同じ目線に 私は何を思っていたのだろうか・・・

丁度 北極点を通過した時に はるか向こうに 美しいオーロラのカーテンを
飛行機の窓越しに見下ろす事ができた。

降り立ったNYは 極寒の土地。
けれど 全ての物が新鮮に目の中に飛び込んできた。

変われるかもしれない。
全て 変われるかもしれない。

今までの自分から 脱皮できるかもしれない。

マンハッタンから車で一時間ぐらいの隣町に私は行った。

そして何も考える事も無く 一日を終え 朝目覚めた時・・・

雪に覆われたウッドデッキの上に 動物の足跡がたくさんあった。

そして 凍てついた池の氷の上に 雪が降り注がれ 池の向こうには野生の鹿が 親子連れで 木の皮をかじっていた。

表に出てみると 顔の神経が無くなるほどの冷たさを感じ・・・
そして 目の前に広がる雪の上を「ダイヤモンドダスト」が舞った。

この雪の下はどうなっているのだろう?
この雪の下には 何が隠されているのだろう?

この季節に こんなに遠く異国の地に来た私は きっと今までの事を覆い隠してくれるものを 求めていたのだと その時悟った。

そして その美しさに目を奪われ 全てを忘れて 『銀世界』に包まれ・・・
自分自身を 昇華したかった。

私は すっぽりとその雪の中に大の字になり 空を見上げた。

目を閉じて・・・ゆっくりと深呼吸をして・・・

その時 ふと心によぎったものがあった。
それは その時丁度 マンハッタンの地に降り立った『某有名な野球選手』の事・・・

彼は 日本人の夢を乗せて 同じ地に私と一日遅れで降り立った。
この差は 何なのだろう?

私ってちっぽけな人間だな・・・と『銀世界』の中もう一人の自分が答えた。

きっと 私は・・・汚れてしまった心を浄化するために遥々この地に来たのだなと・・・

その時 『銀世界』は私に教えてくれた。
私のいる場は ここではないと。

しばらく ここで心を休めて またおいでと・・・

それからどれだけ私は 居ただろうか・・・

今度は 『銀世界』から旅立つ日が来た。
『銀世界』は 私にこう呟いた。

「また おいで 今度は 本当に 心がまやかしでは無く洗われた時に・・・
僕は君の心を ある意味洗ってあげたかもしれない。
でも それは一時の魔法でしかないんだよ。
だから 本当に君の心が洗われ 美しさを取り戻した時に また会いにおいで。
その時は 僕の姿もまた違って見えるよ」
と・・・・・・・・・・・・

私は「I'll Be Back」と・・・NYを後にした。

=================================
半分は、実話です。
某有名な野球選手は、昨年国民名誉賞を取った「松井選手」
正直、大変だったな・・・
日本人だとわかると、松井選手の事をいろいろ聞かれて。
それだけ、やっぱり彼は素晴らしい選手だったんですね♪

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2014/01/29 09:28
~ISOLAさんへ~
コメントありがとうございます。
「浄化」と言う言葉は、私自身も色々な詩の中で使っています。

良い言葉ですよね。
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2014/01/29 09:23
~リーヴェンダリアさんへ~
コメントありがとうございました。

自分でも、考えてもいませんでした。
音楽をやっている人は、世界を受け止めやすい情報に変えて発信する・・・
そうかも知れませんね。

気づかせてくれてありがとうございます。
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2014/01/27 14:11
雪が浄化してくれるっていう表現、私もよく使います♪
共感できる作品でした(^^
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2014/01/27 11:14
お題参加ありがとう御座います。
銀世界からダイヤモンドダストに発展する様が純粋にすごいなと思いました。
雪の下がどうなっているか?という疑問は、おれは芸術家にしか抱けない疑問だと思っています。
文芸の分野なら、その下に広がる世界を考えますし、美術なら埋もれたロマンを考えるでしょうか。
一般人なら何もない、と答えるのでしょうけど、「何かが隠されている」と思うねねママさんは、さすが音楽家だと思います。
俺は小世界と捉えるのでやっぱり文芸なのかも知れません。
雄大な景色のゆったりした時間、アメリカの印象でもありますが、時の止まったような銀世界では一入な気がします。
アメリカはテレビ以外で見たことがないのですが、不思議とどんな景色なのかが分かります。
文芸は自分の世界を的確に表現して見せますが、音楽家は世界を受け止めやすい情報に変えて発信するそうです。
何か、なるほど。と思う部分です。
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2014/01/25 20:38
~ダヤンさんへ~
コメントありがとうございます。
ウッドベリーのアウトレットは最高でした。

本場のトイザらスも楽しかったですよ。
しかし、この時期のNYはとても寒いです。

ロスに行った時は、夏だったので本場のディズニーランドとまだ日本には無かったユニバーサルスタジオを堪能してきました。
もちろん、買い物も♪

異国の地の銀世界は、やはり違うものでした。
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2014/01/25 10:17
好きなインテリア、ブランド、玩具があるので、
いつかアメリカに行ってみたいな~

銀世界も体験したいです。
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2014/01/24 20:42
~ウォッカサンへ~
コメントありがとうございます。
現実逃避の為に、行った先はあまりにも遠すぎました。
でも、そこでは現実では見直されないものが見直されたような気がしましたよ。

もう一度行ってみたいです。
今度は、楽しみながら。
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2014/01/24 20:39
~AEScさんへ~
アメリカは、丁度「野茂投手」が行った時たまたまロスへ行って(その時は観光で家族旅行だったけど)、次に行った時は、「松井選手」がNYに行った前日。

前々目的は違ったけれど、不思議だなと思いました。
始め行った時は、家族全員で、二度目に行った時はたった一人で・・・

アメリカの広さは、本当に自分がちっぽけに見えます。
「銀世界」はその時観るもので、全く違って見えますね。
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2014/01/24 20:34
~奈袖さんへ~
コメントありがとうございます。
正に、偶然松井選手がNY入りする前日私もNY入り・・・

昨年、丁度松井選手がNYに行ってから10年というニュースを聞いて「そっか・・・あれから10年も経ってしまったんだ」
と思いました。
だから、余計あの頃の事忘れられない出来事に・・・

今じゃ、はるか昔の様に思えます。
心も苦しみも・・・消え去りました。
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2014/01/24 09:26
現実逃避したくなる時ありますね。
遠い異国の地で、一人銀世界に包まれて
色々な事を考えてみる。
そして、もう一人の自分が答えてくれる。

自分をみつめ直すって大事ですね。

自然の中では誰しもちっぽけな存在だと思いますヨ(p_-)

ニューヨークの銀世界、私も体験してみたいです☆
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2014/01/24 09:26
おお、半分が実話とは、マンハッタンに行かれた事があるんですね♪
自分はアメリカへ行った事がないです。
銀世界は、訪れるたびに違った事を教えてくれるような気がします。
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2014/01/24 09:02
何かも覆い尽くしてしまう 雪
いっそ 何も感じたくない 
寒さでしびれるような感覚と 綺麗な景色に同化してく感覚
もう自分じゃないみたい・・

それに気がついた時 戻ってこられるのかもしれないですね

今年はマー君がヤンキース入りですね^^
そかぁ 松井選手の一日前にNYにいたんですねっ!
そりゃぁ 聞かれますよねぇ^^; でも誇らしいですね^^



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