I am 【 短編小説 】
- カテゴリ:自作小説
- 2014/01/04 16:05:12
I am 【 短編小説 】
……私は、誰だろう?
一体何のために生きているのだろう?
どうして生まれたのだろう?この世に存在する意味が見当たらない。
毎日繰り返して考えるが、答えは見つからない。
また人生を投げ出したくなる。
そして、いつも手にする鋭いカッター…。
私は慣れた手つきで脈の辺りを軽く切った──
───つもりだった。
「 ウッ…! 」
突然の激しい痛みについ体がくの字に曲がる。
耐え切れなくなり、とうとう横に倒れこんだ。
真っ白なカーペットには、私の真っ赤な血が見る見るうちに広がっていく。
染まる血を見つめ、ようやく自分の愚かさを自覚する。
そしてどんだけ自分を愛しているのかを気づく。
…まだ死にたくないという願望を抱いていた事に気づく。
「 たす…けてぇ… 」
私は小さなアパートに一人暮らししている大学生。
友達は居るけどきっと皆上辺だけの付き合いなんだろう。
今、「脈を切ったから助けて」と言ってもすぐに関係を断ち切られるだけ。
でもこのままだと死んでしまう。
誰かに連絡しなきゃ、私の人生は本当に終わりだ。
近くに置いてあったスマホに手を伸ばし、電話帳を開いた。
沢山スマホに入れられたアドレス達。その中に一つだけ輝いて見えるモノがあった。
「 啓太… 」
大河啓太…。小学校からの幼馴染で同じ大学に通ってる同級生。
なんらかの縁で私達はずっと仲良くさせてもらってる。…前も飲みに行ったし。
彼だったら上辺だけじゃないかもって少しだけ希望持てる。
私は流れる血を見つめながら彼に連絡した。
ピルルルル.....ガチャッ
『 もしもし?佐奈? 』
彼のいつも通りの声が私の耳に癒しを与える。
私は震えた声で、微かな力を振り絞りながら伝える。
「 …た、たすけ…て 」
『 ハァ?助けて…? 』
「 痛い…たすけ…て… 」
『 え、どうしたんだ!? 』
───バタッ。
ここで私は意識を失った。スマホは真っ赤なカーペットに落とされた。
目の前は真っ暗…まるで闇の世界に居るみたいだ。
私はその世界に長く眠っていたようだ。
数時間後、手の辺りにフワリと温もりを感じた。
ゆっくりゆっくりと目を開けると、うっすら開かれた視界には啓太の姿が。
「 けい… 」
完全に目を開いた時、しっかりと私は見た。
彼が私の手を握りながら泣きじゃくっている姿を──。
手に温もりがあったのはこれだったのか…、少しヒヤリとしたのは涙だったのか。
彼の涙は収まることない。余程驚いたのだろう。
そりゃそうか…、真っ赤なカーペットの上に脈切れた意識不明の女子大生居たんだし。
しかも小学校の頃から知ってる幼馴染だったらなおさらか……。
啓太に悪いことしたな。
「 啓太 」
私は幼児に優しく呼びかけるように声を掛けた。
すると啓太は涙でボロボロになった顔を上にあげ、私を見た。
「 佐奈…、お前 」
先程の顔とは一転し、明るい顔へと変わっていく。
私はニコッと微笑んで話す。
「 心配掛けてごめんなさい 」
すると啓太は少し怒ったような表情と口調でこう言った。
「 本当だよな!もう…、マジで 」
服の袖で必死に涙を拭う。
私は眉を歪めながら、溜息混じりにこう言った。
「 …ごめん、あんな光景見たら誰だって驚くよね 」
「 そ、そりゃそうだけど…
俺が言いたいのはそういう事じゃなくって! 」
───ガラッ。
まるで啓太の言葉を隠すかのように鳴り響くドアの音。
そこには、私の元カレが立っていた。
「 蓮、何で… 」
震えがまた始まる。啓太は不思議そうに私の顔を見つめた。
そんな空気さえ読もうとせず、蓮はズカズカと病室に入って来た。
「 佐奈、脈切ったんだって?大丈夫なのかよ 」
本当に心配してるかのように、眉を歪めながら尋ねてくる。
でも、私には分かる。…カレの嘘と本性が。
「 だ、大丈夫…… 」
震えた手を右手で握り、必死に抑える。
でもカレには何もかもお見通しなのだ───。
「 やっぱ俺と離れて寂しかったんじゃね? 」
ニヤリと八重歯を見せながら笑う。
嫌な予感と共に背筋がゾクッとした。
「 なぁ、そうだろ? 」
突然顔を覗き込むように近づけてきた。
まるで狼に追い込まれた子羊のように私は震えきっていた。
すると見ていた啓太が蓮を掴んだ。
「 佐奈嫌がってるじゃん、止めろよ 」
「 ハァ?お前誰? 」
睨みを利かせながら尋ねる。しかし、啓太は真っ直ぐな瞳で答えた。
「 俺?佐奈の彼氏だけど 」
「 …!? 」
目が飛び出すくらい驚いた発言。
その言葉に同じくらい蓮は驚いているようだ。
「 意味分かんねぇ、佐奈…新しい男デキたのか? 」
今にも襲い掛かりそうな目で尋ねる。
私は必死に涙を堪え、震える体を抑え、口を開いた。
「 そ、そうだよ…
蓮とはだってもう別れたじゃん… 」
「 ハァ!? ざけんなよ 」
切ってダメージを負った脈をギュッと掴み、私を自分のほうへ引き寄せた。
とてつもない激痛が走る。それと共に目の前にある顔への恐怖も襲い掛かる。
狼のような目は私を今にも食べそうだ。
「 なあ、佐奈は俺だけのモンだったよなぁ? 」
ネットリとした声で耳元に囁く。
啓太には聞えないようにワザとやっているのか……
啓太は必死に彼を止めようとするが、ボクシングやってる彼には敵わない。
勿論、女で何もやってない私はすぐに負けてしまう。
「 …佐奈、戻ろう?
俺達にはしっかりとした愛があるじゃん 」
突然優しい声に変わった。
「愛がある」なんて一度も想ったこと無い彼との時間。
暴力と酒で結ばれたようなそんな関係は…もう要らない…。
「 戻らない… 」
「 アァ?聞えねぇ 」
「 戻らないって言ってるの!!! 」
つかまれた腕を振り払い、キッと蓮を睨んだ。
すると蓮はそんな私を見ながらあざ笑った───。
「 変わったね、佐奈… 男デキたからか?
じゃあさ、この男が居なくなったら俺んとこくんの? 」
「 え? 」
本気さが伝わってくる蓮の目。そしてポケットに入っていたナイフ。
蓮は最初から叶わなかったらそうするつもりだったんだ……
「 ヤダッ、蓮やめて! 」
慌ててベッドから取り乱す。だが彼の暴走は一度始まると納まらない。
警察か、第三者が来るまでは──。
「 佐奈… 」
「 じゃ、佐奈との幸せ返して貰うわ 」
そう言って彼にナイフを突きつけ、ゆっくりと近づけていった。
次の瞬間、私の頭の中で走馬灯のように記憶が蘇った。
初めて啓太と悪戯した時の記憶……。
私が泣き喚いて、啓太が事故に遭ったとか言って驚かしてた…。
──これだ。
「 じゃあな、色男 」
彼がナイフで刺すと同時に私は叫んだ。
「 助けてください!!ここに殺人鬼が居るんです!! 」
「 さ、佐奈!? 」
我に返った蓮は私に駆け寄り、必死に黙らせた。
でも私の声はもう消せない。一度響き渡れば病院はとても声が行き渡る。
すぐに警備員が来て蓮は逮捕された。
私達は病室で二人、安全な場所で確保された。
静かな病室で啓太が口を開く。
「 俺さ、血見たから驚いたんじゃないぞ 」
「 え? 」
「 お前が倒れてたから…、驚いてこっちが死にそうになった 」
啓太の目はまた少し潤み始めてる。
「 ごめんね 」
「 これからは、もう安全だから 」
そう言って私の肩をそっと抱いてくれた。
私は「うん」と頷き、彼の肩に擦り寄るようにもたれかかった。
夕焼けが私達をオレンジ色に染めていく。
それと共にベッドの後ろで映った影はゆっくりと重なって行った──。
END
全部未遂で終わってしまいましたが・・・。
電車に轢かれそうになって、サラリーマンに助けられたり・・・
最愛の幼馴染を自死で失いました。
この小説を読んで、当時の自分がどうして未遂をしたのかわかりました。
素敵な小説をありがとうございました。
きっと、今日は塾なんですね笑
私が返信しないと怒るくせになんなんでしょうね笑
まぁ、付き合う前の話ですが笑
まぁあの人はメールより、LINE派ですから・・・・。
メールより、LINEのほうが大切って考えなんですかね。
もー!って感じです笑
なんか、メールも全然してなくて・・・。
今日、頑張ってメールしてみたんです。
でも、返信くれなくて・・・。
私、どうしたらいいんでしょうね・・・。
やっぱり、そう思うよね・・・。
なんかね、最近彼女と別れたらしくて・・・。
そしたら、別れた次の日からメールしてくるんだー。
毎日、毎日・・・。
しかもね、きずかなかったら・・・
1時間ごとにしてくるの・・・。
だんだん、怖くなってくる。
私も、わたしは生きてる意味がないとか思ったことがあります。
こういう悩みって人に言えないから、一人で抱え込んでしまうこと多いですよね・・・。
でも、その時どこかで「誰かに止めて欲しい」って思ったから死ねなかった・・・。
止めてくれる人なんて誰もいなかったから・・・。
いつか、こうやって止めてくれて、助けてくれる人が現れて欲しいなあー笑