Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


恋の芽が出る頃に 【 第二章 】

第二章 『 始まりの一歩 』


いよいよ来た誰もが目指す大きな高校。
県内でもナンバーワンで、卒業したら将来安定。
入学しただけでも凄いと称えられ、同級生である事さえ誇りにされる。

そんな大層な高校へ、私達は一歩踏み入れた。
やはり実感はまだ薄くて、受かったなんてまだ信じられない。
だが、それを無理矢理実感させるように門の外には『入学式』と書かれた看板が。

夢じゃないんだ、と再び実感させられた。

「 緊張するね…。 」

引っ込み思案で、人見知りの美由が少々震えた声で呟く。
私はその真逆で、人見知りしないし、特別引っ込み思案な訳でもない。

緊張で今にも逃げ出しそうな美由の背中に、平手打ちで気合を入れてあげた。
そして、再び八重歯を見せてニッと笑った。

「 なぁに弱音吐いてるの!?今から薔薇色生活が始まるんだよ!? 」

そんな私の説得に美由は「うぅん」と小さく傾げた。
美由は中学の頃からあまり人と関わりを持ちたいというタイプじゃなかったから、
まあ、美由の気持ちが分からない訳でもないんだけど…。

でも、この新しい高校では美由にも「学校生活のエンジョイ」という物を知ってほしい。
やっと受験という鎖から解き放たれ、もう支配されなくて済むのだから…。

私は美由の背中をもう一発叩き、気合注入と言った。
美由は少し照れくさそうに苦笑いをした。

ドキドキの高校生活が待ってるんだから怖がってなんていられない。
私も自分自身に気合注入をし、クラス発表を見に行った。
ドーンッと立つクラス発表の看板は、威圧感が半端じゃなかった。

「 えぇと、私は…。
      ………あぁっ!あったぁっ! 」

私の名前は、1年3組にあった。
奇跡かと思うけど、美由の名前も3組にあった。
私達は手を取り合い、喜んだ。

「 やったぁ!また一緒に過ごせるねー! 」
「 うんうんっ!よろしくね、夏芽ちゃんっ! 」

さっきの緊張して固くなった顔はどこへ行ったのやらと言いたくなるほど、
美由の顔は笑顔でいっぱいになっていた。だが、それは私も一緒だった。
緊張は一気に解け、また美由と過ごせると嬉しい気持ちでいっぱいだったから。

私は再び美由の肩を抱いて、教室へと出発した。
普段は恥ずかしそうにする美由も、今回は大いに喜んだ。

3組の教室は足を運んですぐの場所にある。
教室が門から近くて楽だと、つい呟いてしまうほどだ。
机の上に鞄をドサッと置き、ようやく腰を椅子に落とせた…。
「ふぅ」と溜め息を零してしまうほど私は安心感に満ちていたようだ。
美由はタタタッとリスのような小走りで私に駆け寄ってきた。

そして、嬉しそうにニコニコしながら呟いた。

「 また夏芽ちゃんと一緒だなんて…、夢みたいっ 」

両手の指を絡ませながら、そう言う。
その言葉に胸を熱くさせる。そして、彼女の手を握って言った。

「 私もだよ。美由 」
「 ………ありがと、夏芽ちゃん。 」

そう呟くと、美由は再びニコッと笑った。
彼女の笑顔を見るたびに私は花畑を見てるように感じる。
やっぱり大和撫子という感じの美由は、凄いなと実感させられる。

「 はぁい、新入生は廊下に並んでねー! 」

なんやかんや言ってる内に、入学式へと呼ばれた。
今からどんな高校生活になっていくんだろう。楽しみで仕方がない。
笑顔の美由と共に、廊下に出て並ぶ。

美由と私は出席番号違うから、だいぶ離れてしまう。
寂しいなと思うと同時に、美由大丈夫かなと不安を抱える。
他人の心配する前に自分の心配をしなくてはならないと言うのに…。

駆け足で自分の列へと並び、溜め息を零す。
すると、肩にトントンと違和感を感じた。
振り返ると、そこには茶髪の長い髪を垂らした女子が立っていた。
しかもすごい笑顔で。

「 ねぇ、君。名前なんて言うのっ? 」
「 わ、私……?え、えと。今野夏芽って言います。 」

私の名前を聞いた彼女は、「へー!」と目を光らせた。
そして、すぐに自分を細い指で差し笑顔で言った。

「 私の名前は今田瑠衣って言いますっ!よろしくね。 」

彼女はニッと嬉しそうに笑った。それに釣られて笑ってしまう。
この子は良い子そうだな、と見ながらそう思った。

そして、すぐに入学式は始まった─……。

お約束でもある、校長の長い長い話…。
私は眠くて仕方がない。思わず深い欠伸が出てしまった。
それを気づいた瑠衣が「フフッ」と笑った。
そして、恥ずかしくなった私も思わず一緒に笑ってしまう……。

そして、顔を見合わせてまた笑い合った。

「 コラ、そこ!喋らない! 」
「「 ゲッ……。すみませぇん……。 」

私達は共に俯き、そして深く頭を下げた─。
だが横目でお互い目を合わせ、また微かに笑い合った。

いい友達が出来てよかったな、と思いながら私は入学式を終えた─……。

すぐに教室に戻らされ、終わった後は部活見学となっていた。
この高校にはたくさんの部活が配属されてるとでも有名なのだ。
だが、私の眼中には”あの部活”しかなかった……。

部活見学をしている中、隣に居る美由が呟いた。

「 夏芽ちゃんはどこの部活に入るの……? 」
「 もち、中学生から続けてる”バスケ部”! 」

そう。私は中学1年生の頃からバスケ部に所属していた。
明確に言えば私はバスケを中学に入るまでは習っていた。
気づけばバスケにばかり夢中になって、勉強できなかった時もあった。
この高校のバスケ部は有名なチームで、凄く強いらしい。

バスケ部、と聞いた美由は苦笑いで呟いた。

「 ……凄いね、さすが夏芽ちゃん。 」
「 えぇ?いやぁ、照れるなぁー! 」

…冗談で飛ばしたつもりだった。でも、美由は笑ってくれなかった。
美由は俯いたまま、悲しげな眉を歪めた表情で歩いた。
肩を並ばせて歩く廊下……。新入生のため磨いた氷のように輝いた廊下は、
寂しさを思わせてまた気まずくなってしまう……。

美由はピタリ、と美術室前で止まった。

「 じゃあ、私美術部に行くから……。 」
「 あ、うん…。 」

ここで美由とは一旦お別れした。
美由は運動苦手だから、私と一緒に行くのが嫌だったのかな。
バスケ部って言って癇に障ったのかもしれないな……。

後悔の波に飲まれながら、私はバスケ部のある講堂へと足を進ませた。

******************************************************************

第二章 『 始まりの一歩 』 END

…………………………

第二章、いかがでしたでしょうか…?
一章で満足できた方もできなかった方も、この二章で
満足して頂けると光栄の限りでございます(´▽`*
まだまだ始まったばかりですが、どうか温かい目で見守ってください。

【P.S】できれば小説を読み終えた後、感想を頂けると嬉しいです^^;

アバター
2013/11/23 14:53
今打たれた文章を

全部漢字にする、ひらがなにする作業をすると
簡単に解決できると思いますよb
アバター
2013/11/23 14:40
漢字とひらがなを使い分けると
もうちょっと効果的に読ませることができるかもです´・ω・)

読みやすくもなりますしねb

自信がないということは、上手く書けているということですb
そのうち自負なんかなくても自信が持てるようになってくるはずです^^

あと、間合いを上手く使えると
上達が早まりますね。

本気で書くのもいいですが、

何回か遊びの作品も作るといいでしょうねb
そしたら実験できますし。もちろん、単発の短編で、です。
アバター
2013/11/23 12:53
(ずいぶん上達しましたね~^^



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