ストロベリーラブ 【 第76章 】
- カテゴリ:自作小説
- 2013/11/11 22:13:00
第七十六章 『 目の前の光景は 』
目を覚ますと、前に見えたのはいつもと何も変わらない教室。
でも、周りには誰も居ない。...私だけ、自分の席に座っている─...。
机の落書きや、黒板の隅に書いた日直だって全て何も変わらない...。
─ガラッ。
勢いよく扉が開いた。その先には、微笑んでたっている一輝の姿。
「 一輝...! 」
ガタッと椅子を鳴らし、一輝のほうへ駆け寄る。
だが、一輝はそれに応えてくれない。むしろ逃げられた。
私は何度も呼びとめながら、一輝を追い続ける─、どこまでも....
ようやく追いつき、腕を引っ張るとそこには一輝の冷たく突き刺さる視線があった...。
「 一輝...? 」
声が震える。だって一輝の目には優しさがない...。
そして、口は微かに開いた。
「 ウゼェんだよ。 」
「 .....っ!? 」
****************
チッ、チッ、チッ、チッ....
「 ハァ、ハァ...ハァ...一輝...、行かないでっ!! 」
勢いよく飛び起き、見えたのは教室ではなくトイレの中。
ようやく思い出せた。私はトイレで気絶して倒れたんだ...と。
そうか、今のは夢だったんだ。あまりにも鮮明で...現実と夢と分からなくなった。
トイレに飾ってある、時計の針の音が妙に耳に付く...。
秒針もずれてるし...。
そんな事を思いながら、体を起こし、トイレを出た。
今日は誰もいない。お母さんも帰ってこない。
こんな日に一人だなんてついてないな、本当に....。
「 はあ... 」
つい、ため息が零れる。
冷蔵庫を開けても、中には何もない。
買出し...行かないといけないのかな。
しぶしぶ身支度を終わらせ、私は外に足を踏み入れた。
外はいつもと変わらない風景。せかせかと人々が歩いている─...。
買出しに行くスーパーだって、いつもと変わらない。
並べられた野菜を目に通して行き、私はどれにするか悩む。
こんな日まで悩んで買い物する事はないのに...、何故か今日は長居したい気分だ。
「 ....んっ? 」
そんな時、パッと目が行った...。
─ドクンッ....!
そこには、香理奈と桐崎君の姿があった─...。
決して仲良さそうではないが、並んで買い物をしている。
どうして、何故だろう...。あれだけ私を怒鳴ったのに、なんで桐崎君と...。
別に試すわけじゃないけど、私は香理奈に電話を掛けてみた...。
すると...、
─ピルルルル...
「 香理奈ちゃん、携帯鳴ってない? 」
「 え...?ああ、ただの間違い電話みたいー。 」
電話には出ず、そのまま無視し続けた...。
なんで、どうして。意味が分からない。
私が意識失ってる間...、何が起こったんだ...。
混乱しながら、私はその場に呆然と立ち尽くしたのだった...。
*************
<<香理奈side>>
「 .............. 」
「 大丈夫?顔色良くないじゃん。 」
「 あなたと居て、顔色良くなると思いますか。 」
真顔で答えた。だが、桐崎君は表情を変えようとしない。
ずっとニヤニヤしたままだ。よくそんな顔をしていられるな、と思うくらい。
「 じゃあさぁ...、何で来た訳? 」
「 ....は? 」
「 なんで”彼氏とデート中だった”のに、こっちに来たの? 」
「 そ、それは.... 」
あまり答えたくない理由...。
「 気になるんだけどなぁ。 」
「 ....早くお金払いましょう。 」
「 ...釣れねぇな。 」
まだ、話す訳にはいかない。まだ...話してはいけないの。
続く。
すごいですね―
彼ね、うちがそうゆうふうに思っていること知らないから・・・。
好きな人のことについて、うちに相談さすっちゃん・・・。
そのとき、とってもつらい。
そうだよね、歳の差は関係ないよね・・・。
自分の気持ちだよね・・・。
でもね、友達には言い切らんチャンねー。
まぁー、ゆっくり考えてみます。
ありがとう。
自分でわからん・・・。
しかも、年下だし・・・。