ストロベリーラブ 【 第71章 】
- カテゴリ:自作小説
- 2013/11/06 18:51:06
第七十一章 『 本当の気持ち 』
あれから長い夜が続いた...。本当に長い長い夜だ。
香理奈の怒鳴り声は夜通しで響き渡り、ついに小鳥が鳴き始めた。
ここまでやるか、と思いながら私は目の下にクマを作り、必死に抵抗していた。
「 本気じゃないなら別れろって!! 」
どっからそんな声出てるんだろう...。
ついそんな疑問が浮かび上がる。始め辺りは私も頑張ってた。
でも、夜通しでやられたらさすがにキッツイ。香理奈はシャキシャキしてるけど...。
こんなんじゃ、まるで拷問を受けてるみたいだ。
「 わ、わかった。続きはほら...少し寝てから... 」
「 やっぱそんくらいの気持ちなんじゃん!! 」
「 それは違うけど、ほら、声もさ掠れてきてるしさ.... 」
「 苺華のやる気がないからでしょ!? 」
そーくるか。思わず心の中で呟いた。
頭もポケーッとし、香理奈の話がしっかり聞き取れなくなってきた。
ただでさえ、頭の整理がつかない状況なのに...。
これいじょう狂わせないでくれ、少しだけでいいから考えさせて...。
「 うっ... 」
「 え...苺華...? 」
─バタッ...。
「 やだっ!!苺華っ!!ど、どうしよ... 」
私の視界は真っ暗な闇へと落ちていった...。
**********
<<一輝side>>
苺華と雅人のキス。それを聞いてから俺の頭の中は真っ白─。
苺華とだってどう接すればいいのかわからなくなってる。
今の俺の支えと言えば、理解してくれる功くらいだ。
まあ....、心のより所があるだけまだましか。
「 はあ... 」
携帯の画面を見て、新着メールが着てないか調べる。
着てるワケもないのに...。俺はまだ何を期待してるんだろうか?
ついため息が出る。また功に相談したくなってきた。
最近、功と話してないと落ち着かない。...いや、誰かと話してなきゃ...か。
一人で居るときはいつも苺華の笑顔が浮かんで仕方がない。
消えろ、今は考えてはいけないと思ってても浮かんでしまうのだ。本当だぞ?
俺はポケットに手を突っ込みながら、街角のショーウィンドに目を向ける。
そこには、綺麗なマネキンが着た真っ白い純白ウェディングドレスが...。
つい蘇ってしまう。少し前までは苺華と結婚しよーねって言ってたのにな....。
「 はあ... 」
ここでまたため息を吐いてしまう。
いかん、いかん。ため息は幸せを逃してしまうから...。
俺は笑っていよう。責めて、俺だけでも笑ってればきっと周りもいつか....、
─ピルルルル....
メール....、いや、電話か。
画面には【 長谷川 】と書かれていた。
何で長谷川から?、そんな風に思いながらも電話に出た。
「 ....はい? 」
『 日村君っ!?よかった、今どこ...? 』
「 え?街角のショーウィンドの前...だけど...。 」
『 今すぐに苺華の家に来てくれない?少し大変なことに... 』
「 えぇ?え、あ、わかった。 」
─プツッ...。
何事かは分からない。でもただ事ではなさそう...。
俺は頭が真っ白で、どんな顔して会えばいいのか分からないまま、
苺華の家へ急いで行った。やっぱり苺華の事が...好きだから。
....俺は一生諦めれそうにないから。
続く...。