Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ 【 第66章 】

第六十六章 『 本当は...? 』


二人の呼吸が止まった瞬間...苺華達の影が重なった...。
香理奈は口を両手で押さえながら、何度も「 え? 」と繰り返す。
戸惑いを隠せないのは香理奈だけではない。功だって戸惑っている─。
さっきまで一緒に居た友達、一輝の大事な彼女が有名なイケメンと抱き合ってるのだ、
驚かないわけがない。香理奈だって同じ。自分の親友が違う男と抱き合ってるんだから。

「 ...ど、どうして? 」

考え込みながら、ポツリと呟く疑問。そんな疑問に功が答えた。

「 いや、たぶん桐崎が強引にやったんだろう...。苺華ちゃんの顔見て。 」

そう言って功が指差した先は苺華の顔。涙で目は腫れ、頬は濡れている─。
ソレを見て嬉しそうにニヤニヤしている桐崎。誰が見たって強引にやったんだと分かる。
香理奈はその言葉に怒り爆発。つい声を荒げた─。

「 ハァッ....!?何ソレ...!!! 苺華は...襲われたって事っ...!? 」

精一杯の小声で、聞えないように荒げた。香理奈のその言葉に功は、頭を悩ませ、
数秒後、パッと閃いたように顔を明るくさせた。

「 そ、そう言うことかもしれない...! 」
「 ...嘘でしょ?宮木君、どうにかしなきゃ!! 」
「 あぁっ!香理奈っ...! 」

待ってと手を伸ばした頃にはもう遅かった。
香理奈のきゃしゃな体はもう苺華のほうへと走っていた─。
香理奈は苺華の体を自分の背後に置き、キッと雅人を睨んで言った。

「 いくら有名人でも許せません...!酷いです...! 」
「 君、誰?俺は斉藤に用があるんだよ。 」
「 用って...襲う事ですか....?だったら余計に放せません...! 」

香理奈は苺華の腕を引っ張り、守るように自分に引き寄せた─。
そんな香理奈を見上げながら、苺華はうるうると目を潤ませながら、呟いた。

「 香理奈...。 」

またホロリと頬を涙がつたう...。それを見ながら、功は桐崎の胸倉を掴んだ。

「 てめぇ、どういうつもりだァ?いきなり抱きしめるなんて、信じらンねぇ。 」
「 しょうがねぇじゃん。好きになっちまったんだし。 」
「 .....は? 」

完全にふざけていると思い、胸倉を掴む力を増した。

「 てっめぇ...ざけんじゃねぇ。軽い気持ちで言ってンじゃねぇーぞ。 」
「 ...そう思えばいいじゃん。俺は本気だし。 」
「 な、何言ってるのよ...! 」

つい口を入れてしまった香理奈。その声を聞きのがす事なく、雅人は返す。

「 何言ってるって...気持ち言ってるんだよ。 」
「 ....は、はぁ? 」

呆れて物も言えなくなり、沈黙が続く。
そんな中、ドアの開く音だけが響いた─....。
一斉に振り向くと、そこには一輝が息を切らして立っていた。

「 い、苺華っ....! 」
「 一輝....? 」

その刹那、ザワザワと風が木を揺らした。
それは不気味な風だった─

続く。

アバター
2013/10/22 18:30
わお

修羅場ですかね?

続き気になります
アバター
2013/10/22 17:55
おもしろいですね!!!これからも読ませていただきます!



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