「伴侶」
- カテゴリ:自作小説
- 2009/08/14 16:58:34
伴侶。いつも一緒にいるって人って意味。
「人生の伴侶」って使えば、それは夫から見れば妻、妻から見れば夫のことを指す。
「愛関係じゃ無ければ長い間の連れ合いのことを〝伴侶〟とは言わないの?」
少し前の話。遅刻ギリギリで学校に登校して席へ着くなり、難しい顔をしながら大股で、親友の瞳がこちらへ来た。
何か怒ってるのか。気は長いけど不満が頂点に達するとそれはもう扱えなく瞳が眉間に皺を寄せてずかずかと近づいてくるから、心当たりは無くともあたしは内心かなりビビってた。
そうしたら、全くもって何の前触れなしにこんな質問をされたもんだから、今度は目を丸くするばかり。黒目がきょろきょろと動く。こいつの思考回路っていったい何なんだ? ああ、そう言えば昨日国語で習った物語に、そんな単語があったようななかったような。
あたしも瞳も大して勉強ができるわけじゃないから、そこから二人で短い時間の間うんうん唸りあって、自分の意見を言い合って、結局、
あたしらみたいに無敵で最強の二人なら〝伴侶〟と表現しても許可する!
なんて、アホでバカ丸出しの結果に落ち着いた。
勿論こんな答えを出したのは瞳だ。全く、脳みそ少しはまともなものにしなさい。
親友とはいえ、ちょっと呆れるよ?
ま、満足げなそれこそ何人もの男を魅了してきた必殺技の笑顔を無意識で向けられるんなら、
瞳との関係は伴侶でも白い結婚でもあたしは十分なのさ。